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80代男性「誰にも言わないでくれよ」老人ホームで介護士が見てしまった“素の姿”に思わず笑ってしまったワケ

  • 2026.9.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

介護の仕事をしていると、利用者様の何気ない言動に思わず笑ったり、胸が温かくなったりすることがあります。

今回は、介護現場で10年以上働いてきた筆者が、特に心に残っている3つのエピソードをご紹介します。

普段は見られない利用者様の意外な一面から、人生の先輩方との交流まで。介護の現場で出会う、温かな日常をのぞいてみてください。

「誰にも言わないでくれよ」普段とのギャップに思わずほっこり

有料老人ホームで働いていたときの出来事です。

80代の男性利用者様は、いつも襟付きのシャツにスラックスというきちんとした服装をされていました。

毎朝、経済新聞を広げながらテレビでニュースをチェックされている姿が印象的で、退職するまで「仕事一筋」の人生を歩んでこられた方です。

ある朝、居室を訪れると、男性は椅子に座ったまま、うとうと眠られていました。

テレビはついたまま、新聞も両手から落ちそうになっています。

「おはようございます、お変わりありませんか?」

そう声を掛けると、男性は目を覚まし、少し照れたような笑顔を見せられました。

そして一言、

「誰にも言わないでおいてくれよ」

とおっしゃったのです。

照れながらそんな一言を添えるところに、利用者様のユーモアが感じられました。

介護士だからこそ垣間見ることができた、ちょっとした“素”の姿。

普段との微笑ましいギャップに、思わずこちらまで笑顔になった出来事です。

「久しぶり!」仲間との再会で見えた、支え合う姿

デイサービスで働いていたときの出来事です。

ある利用者様が、体調不良や受診などが重なり、しばらく利用をお休みされていました。

久しぶりにデイサービスへ来られると、いつも一緒に過ごしていたお仲間たちが、

「久しぶり!」

「何かあったの?」

と声を掛けます。

再会を喜びながら話に花が咲き、しばらくすると、お互いの持病や年齢を重ねることへの不安を打ち明け合うように。

「無理しちゃダメよ」

「上からお迎えが来るまで頑張りましょ」

と言葉を交わしながら、肩を寄せ合って励まし合う姿がありました。

年齢や性別を越えて、それぞれの人生について語り合い、和やかに過ごされる姿に、こちらまで自然と笑顔になります。

利用者様同士の優しいやり取りを見ていると、胸が温かくなるだけでなく、

人生の先輩方から学ばせていただくことも多いと感じます。

長い人生を歩んできたからこそ出てくる言葉や、相手を思いやる姿。

介護の仕事をしていると、わたしたち介護士のほうが教えていただくこともたくさんあります。

「動かないと廃車になっちゃうよ」ユーモアあふれるひと言

デイサービスで出会った女性利用者様のお話です。

スタッフが洗濯物を畳んだり、食事の準備をしたりしていると、いつも率先して手伝ってくださる方でした。

何でも積極的に手伝ってくださる方なので、ある日少しお疲れの様子を見て、

「無理しないでくださいね」

と声を掛けました。

すると女性は笑いながら、

「普段家じゃ何もしないから、ここに来たときくらい動かないと。廃車になっちゃうよ」

とおっしゃったのです。

思わず「廃車ですか?」と笑ってしまいました。

相手に気を遣わせないように、ユーモアを交えて返してくださるところにも、

その方の明るく優しい人柄が表れていました。

何気ないひと言に、その人の人生が見える

利用者様のふとした言葉や行動には、その方の性格や、これまで歩んできた人生がふと表れることがあります。
その方らしさを感じる瞬間も少なくありません。

後になっても深く心に残っているものです。

大きな出来事ではなくても、利用者様とのちょっとしたやり取りが、後になっても心に残っていることがあります。

そんな利用者様とのやり取りに触れるたび、介護の仕事のやりがいを感じています。


文:しまむら けいこ/介護福祉士・Webライター 

介護福祉士として10年以上、デイサービスや入所施設などさまざまな介護現場で経験を積む。現在も介護職として働くかたわら、Webライターとして活動。介護や暮らし、働き方について発信している。二児を育てるワーキングマザー。


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