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【職業紹介】今の仕事を目指したきっかけは?クリニック院長の菊池先生にお伺いしました

  • 2026.7.27

今の仕事を選んだのはなぜ?どんなルーツを辿ったの?学生時代の学びは今の職業にどう活かされている?今回は用賀きくち内科肝臓・内視鏡クリニック院長の菊池真大先生にお伺いしました。

ママ広場

私の家系には医療者が一人もおらず、幼い頃の私は医学とは無縁の環境で育ちました。実家は創業100年ほど続く建材卸の商家で、父も祖父も経営者。幼い頃から商売の空気に触れながら育った私は、今クリニックの経営や組織づくりに自然と楽しさを感じられるのも、そうした血筋の影響があるのかもしれません。しかし、私の人生の方向性を決定づけたのは、家業ではなく「命」と真正面から向き合う出来事でした。

祖父の死をきっかけに、医師を目指す

転機は、慶應義塾幼稚舎(小学校)の5年生の時。毎日のように遊びに行っていた大好きな祖父が病に倒れ、入院生活が始まりました。創業社長として会社を大きくした祖父は、私にとって尊敬と憧れの象徴でした。病院に通う日々の中で、母が懸命に看病する姿、医療スタッフが祖父のために働く姿を間近で見ました。そしてある日、昨日まで笑っていた祖父が突然いなくなってしまう。その現実を受け入れられず、小学5年生の私は深い喪失感に呑み込まれました。
「もっと長生きさせてあげたかった」「自分に何かできたのではないか」。
その強烈な思いが、私の中に初めて『医師』という存在を浮かび上がらせました。誰かに勧められたわけではなく、ただ純粋に「家族を守りたい」という衝動。それが、私が医師を志した最初の原点です。
その後、中学・高校・大学と進む中で、この思いが揺らぐことはありませんでした。医学部に進み、内科全領域を学び、消化器・肝臓を専門に選んだのも、体全体を診られる医師でありたいという思いがあったからです。肝臓は『沈黙の臓器』と呼ばれ、全身の代謝を担う要の臓器です。肝臓を深く理解することは、患者さんの未来の健康を守ることにつながる。そう確信し、研鑽を積んできました。

経験を重ねるうちに「病気を治す医療」から「病気を未然に防ぐ医療」へ

大学病院や基幹病院での経験を重ねる中で、私は次第に「病気を治す医療」だけでなく「病気を未然に防ぐ医療」の重要性を強く意識するようになりました。症状が出てからでは遅い疾患、生活習慣や筋力低下が背景にある慢性疾患。こうした『見えない変化』を早期に捉え、未来の健康を守る医療こそ、地域のクリニックが担うべき役割だと考えるようになったのです。
祖父の死を通して芽生えた「大切な人を守りたい」という思いは、今では「地域の未来の健康を守る」という使命へと形を変えました。医療者だけでなく、患者さん・家族・スタッフとともに健康をつくる場所。その理想を実現するために、私は今の職業を選び、日々の診療に向き合っています。

中学・高校での経験が今に活きている

中学・高校時代は、医学部進学という目標が明確だったため、勉強は決して楽なことばかりではありませんでした。しかし、目の前の試験のためだけではなく、「将来、患者さんの役に立てる医師になる」という思いがあったことで、最後まで努力を続けることができました。
毎日コツコツと積み重ねる習慣は、日進月歩で進化する医学の世界に入った今も、新しい知識を学び続ける原動力になっています。学生時代に培った「学び続ける姿勢」は、現在の診療や研究活動の土台になっていると感じています。
一方で、勉強だけでは長く走り続けることはできませんでした。友人と過ごす時間や部活動、体を動かすことが良い息抜きとなり、心身のバランスを保つことの大切さも学びました。特に私が実感したのは、医師という仕事は知識だけでは務まらないということです。いくら知識や経験があっても、それを患者さんのために生かし続けるには、行動力や集中力、そしてそれらを支える体力が欠かせません。体力は医療を支える土台であり、今でも健康管理や運動を大切にしています。
こうした経験は、現在患者さんに対して「健康は運動・食事・睡眠・心の充実があってこそ成り立つ」と伝えている考え方にもつながっています。
現在、クリニックでは肝臓病や生活習慣病の診療だけでなく、運動機能や筋力、歩行能力にも着目し、「病気を治す医療」だけでなく「健康をつくる医療」を目指しています。学生時代に培った学び続ける姿勢と、人生を長い視点で考える習慣は、地域の皆さんの未来の健康を支える今の仕事に、そのまま活かされていると感じています。

執筆者

プロフィールイメージ
菊池真大
菊池真大

慶應義塾大学医学部卒業
東海大学医学部客員准教授
米国ペンシルバニア大学消化器内科元博士研究員
日本アルコールアディクション医学会理事

日本総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本肝臓学会専門医
日本内視鏡学会専門医
日本人間ドック健診専門医
日本病態栄養学会専門医
日本抗加齢医学会専門医

2024年秋、メタボとロコモを同時予防管理する未来志向型クリニックを東京・用賀の地に開業。

用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック

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