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「どうして、その話を知ってるの!?」1人にだけ話した我が子の相談。なぜか隣の家まで届いていた理由とは

  • 2026.7.27

坂道で呼び止められた朝

去年の春、新しく建てた家に越してきました。

同じくらいの年の子がいる家が両隣に並ぶ、こじんまりとした分譲地です。

右隣のママとは、すぐに打ち解けました。

回覧板を届けたついでに立ち話をして、そのままお茶を飲むこともありました。

うちの子は、言葉が出るのがゆっくりでした。

専門の先生のところへ月に一度通いながら、家でできることを少しずつ試している最中です。

「次の面談、3か月先なんだって」

「そっか。待つ時間って、しんどいよね」

そんなふうに話せるのは、この人1人だけでした。誰にでも言えることではないと思っていたからです。

その朝も、いつもの坂道を幼稚園へ向かっていました。後ろから、左隣のママの声がしたのです。

「お子さん大変なの?手伝えることあったら言ってね」

足が止まりました。

「……どうして、その話を知ってるの!?」

「あら、聞いてないの。右隣の人から相談されたのよ。どう言ってあげたらいいか、って」

彼女は少しも悪びれず、むしろ親切のつもりで笑っていました。

「順番待ちって長いもんね。うちも上の子のときそうだったから分かるよ」

坂の上まで、その話は続きました。

私が誰に何を話したのかを、この人はもう知っている。

園の門をくぐるまで、うまく相槌が打てませんでした。

玄関先で引いた一本の線

その日の夕方、右隣のインターホンを押しました。

エプロン姿で出てきた彼女は、いつもと同じ顔で笑っています。私はできるだけ静かに切り出したのです。

「あの話は、私とあなたの間だけにしてほしかったの」

「……ごめん、でも私、心配で。2軒隣の人にも聞いてみたの。みんな、よかれと思って」

「善意でも、うちの子のことは私が決めます」

「……そうだよね。勝手なことした」

「怒ってるんじゃないの。ただ、あの話を誰に伝えるかは、私が決めたかった」

彼女は何度かうなずいて、それきり黙り込みました。

翌朝、左隣のママにも同じことを伝えました。

「うちの子の話は、これからは私からしますね」

「……あ、うん。ごめんなさい。人から聞いた話を、私も軽く扱ってた」

視線が、私の顔から足元へ落ちていきました。

その日から、家のことは誰にも話さないと決めました。

そう決めてしまうと、驚くほど気持ちが軽くなりました。

両隣とは、今は挨拶だけの間柄です。

すれ違えばおはようございますと言い合って、それ以上は踏み込まない。ちょうどいい距離に落ち着きました。

坂道で私を呼び止める人は、もういません。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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