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「先生、まあ一つ、どうぞどうぞ」顔合わせの席で父にゴマをする義父→私が不安になってしまった理由とは

  • 2026.7.26
「先生、まあ一つ、どうぞどうぞ」顔合わせの席で父にゴマをする義父→私が不安になってしまった理由とは

顔合わせの料亭で

結婚の顔合わせのため、両家がとある料亭の座敷に集まりました。

私にとっては、これから家族になる人たちと初めて向き合う、大切な席だったのです。

私の父は、ある専門職に長く就いています。

ただ、それで裕福というわけではなく、暮らしぶりはごく普通の、どこにでもある家庭でした。

はじめのうちは、和やかに挨拶が交わされていました。

ところが義理の父が、私の父の仕事を知った途端、その場の空気が少しずつ変わっていったのです。

始まったお酌

「先生、まあ一つ、どうぞどうぞ」

義父はにやにやと笑いながら、私の父の猪口へ、次から次へと酒を注ぎ始めました。

父が口をつける間もなく、瓶の首がまた傾きます。

「いやあ、立派なお仕事で。素晴らしいですね」

持ち上げるような言葉を何度も繰り返しては、また酌を重ねる。

父はただの勤め人で、そんなふうに畏まられるような立場ではありません。

父も困った顔で「いえ、そんな」と返すばかりでした。

それでも義父は、まるで大物を前にしたかのように、へりくだった笑みを崩さないのです。

母も隣で小さくなり、私はどう振る舞えばいいのか分からず、手元のお茶に視線を落とすばかりでした。

祝いの席のはずなのに、うまく笑顔が作れなかったのを覚えています。

割り切れない違和感

相手を立てているだけ、と思えば角も立たないのかもしれません。

けれど、その媚びるような振る舞いを見ているうちに、私はなんとも言えない気持ちになっていきました。

父を誇らしく紹介したかった気持ちが、少しずつしぼんでいくようだったのです。

仕事の肩書きひとつで、人への態度をあれほど変える。

その姿が、これから始まる長い付き合いを、うっすら暗く照らしているようだったのです。正面から責めるほどのことでもないのかもしれません。

誰かがはっきり間違っていると言ってくれたら、まだ気は楽でした。

でも、そうではないから、この小さな違和感だけが、今も私の胸の奥に残り続けています。これから始まる長い付き合いのなかで、あの笑みをどう受け止めればいいのか、答えはまだ見つかりません。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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