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「利子のつく200万は、私が先に払う」仲が良いとは言えない姉弟。奨学金が繋いだ信頼の証とは

  • 2026.7.26

紙に書き出したのは残る額だった

弟は大学に通うのに奨学金を2種類借りていました。

1つは利子のつかないもの、もう1つは利子がつくものです。

私は5歳上なので、弟の返済が始まる頃には働いて5年が過ぎ、貯金も少しまとまっていました。

実家の台所で、母から返済の話を聞いたのが始まりです。

その夜、電卓を出して紙に書き出しました。

利子のつくほうは、返し終わるまでに払う総額が元金よりだいぶ膨らみます。

時間がかかるほど増える形でした。

翌週、弟を呼びました。

用件だけの短い連絡です。

「話って何」

「利子のつく200万は、私が先に払う」

弟は座ったまま、しばらく黙っていました。

仲は良くない。だから書面にした

正直に言えば、私たち姉弟の仲は良いほうではありません。

用がなければ連絡もしませんし、実家で顔を合わせても長く話すことはない。

だからこそ、口約束にはしたくありませんでした。

「もらうつもりはないから」

「もらってとは言ってない。私に、利子なしで返して」

「それ、姉ちゃんが損するだけじゃないの」

「損じゃない。増えるはずだった分が消えるだけ」

弟は数字の書かれた紙をしばらく見て、分かったと言いました。

次の週末の朝、二人で書面を作りました。

貸した額は200万円。

返す額と間隔、遅れたときにどうするか。

難しい言い回しは調べながら、決めたことをそのまま並べていきます。読み合わせをして、最後に二人で署名しました。

判が並んでいく

それから、返済のたびに二人で判を押しています。

金額と日付を書いて、朱肉を出して、順番に。

玄関先で済ませる月もあれば、実家の台所でやる月もあります。

5分もかからないやりとりです。

「今月ぶん」

「確認しました」

会話はほとんどそれだけで終わります。

相変わらず長話はしません。

それでも、押した判の数だけは正直に積み上がっていきました。

無利子のほうも、弟は自分で地道に返し続けています。

200万円はまだ全額戻っていませんが、私は半分あげたつもりでいるので、急かす気はありません。

生活に困ってもいないのです。

先日、書面の欄が2枚目に入りました。

並んだ判の跡を見ながら、この形にしてよかったと思っています。

仲が良くないまま、それでも二人でできることがある。姉として渡せたのは、お金より先にこの紙でした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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