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「体力がつかないのは、親が甘やかすからよ」通学時に車で送る私に文句を言う役員。だが、私の一言で状況が一変

  • 2026.7.18

登校班に入れない事情

娘が小学校に上がると同時に、私は子供クラブの一員になった。

この地域では、通学は登校班で行くのが昔からの決まりらしい。

ただ、学校までは山道を40分。まだ体の小さな娘に重い荷物を持たせ、毎朝あの道を歩かせることに、私はどうしても踏み切れなかった。だから当面は車で送ると役員に伝えた。

「送り迎えはこちらでやりますので、班に穴を空けることもありません」できるだけ角が立たないように、頭を下げてお願いした。

それが、一部の人には気に入らなかったようだ。

歩かせるべきという圧

「子供の体力のために歩かせて」

子供クラブの役員は、会合のたびに私へそう繰り返した。みんな歩いている、あなただけ特別扱いはできない、という言い方だった。

「体力がつかないのは、親が甘やかすからよ」聞こえよがしのその言葉に、私は何度も唇を噛んだ。

丁寧にお断りしても、嫌味は止まらない。

しまいには、私が登校前の時間に通っていた公道まで「そこは通学路だから使うな」と言い出す始末だった。時間帯は関係ない、とまで言われた。

ほかの近所の人は、通学とは関係なくその道を使っている。

それでも矛先が向くのは、いつも私だけだった。

それでも私は、娘のことだけを考えて、今度こそはっきり伝えることにした。

「小柄な子に山道40分は無理です」

朝の山道は薄暗く、車もスピードを出して通り抜けていく。もし転んだら、もし荷物に引きずられて車道にはみ出したら。

想像するだけで背筋が寒くなる、とだけ告げた。

「体力より先に、まず無事に学校へ着くことが大事なんです」私は役員の目を、まっすぐ見返した。

役員は、言葉に詰まった。眉を寄せて何か言おうとして、けれど反論の言葉が出てこない。

「……それは、まあ」と口ごもったきり、うつむいてしまった。

「正直、私もあの山道は不安だったんです」古株のお母さんがぽつりと漏らすと、周りの空気がふっと変わった。うなずくお母さんが、ひとり、またひとりと増えていく。

会合の帰り道、若いお母さんが小走りで追いかけてきた。「うちも坂道がこわくて。言ってくれて、ほっとしました」と、そっと打ち明けてくれた。

それきり、役員が私の送り迎えに文句をつけてくることはなくなった。あれほど強気だった人が、会合で顔を合わせても、ばつが悪そうに視線を外すようになった。公道を使うなという話も、いつのまにか立ち消えていた。

翌朝も、私はいつもの道で娘を学校へ送った。もう、誰にとがめられることもなかった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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