1. トップ
  2. エピソード
  3. 「終わったらうちに泊まっていいから」大学の飲み会で誘われた私。だが、先輩の家で待っていた修羅場とは

「終わったらうちに泊まっていいから」大学の飲み会で誘われた私。だが、先輩の家で待っていた修羅場とは

  • 2026.7.15

泊まっていいと言われた夜

大学生活が始まって、ひと月ほど。

新歓の席で一緒になった先輩に、私は一目で心を奪われていました。

誰にでも気さくで、頼りがいがあって、落ち着きも眩しかったのです。

その先輩から、飲み会の前日にこう言われました。

「終わったらうちに泊まっていいから」

まさか裏があるとは思わず、私は素直にうなずきました。

ただ、当日の先輩には、少しだけ妙なところがあったのです。

お酒が飲めないはずなのに、彼は何度もスマホを気にしていました。

画面を隠すように打ち込んでは、誰かへの言い訳を、こまめに送っているようにも見えたのです。

飲み会がお開きになり、私は先輩に連れられて部屋に上がりました。

荷物を置いて、ひと息ついたときでした。

玄関の外で、かちゃかちゃと鍵をいじる音がしたのです。

修羅場で崩れた言い分

けれど、チェーンロックがかかっていて、ドアは開きません。

わずかな隙間の向こうで、女性が声を張り上げました。

「そこをどけ、話は聞いたわよ」

手には合鍵が握られていました。

あとで分かったのですが、その人は先輩と同じ部活の彼女さんで、この部屋で半分暮らしていたのです。

「ちょっと待って、いま開けるから」

先輩は慌ててドアへ駆け寄りましたが、彼女さんの追及は止まりません。

「親が来るから実家に帰れって、私に言ったよね」

その言葉に、先輩は答えられませんでした。

親が来るという口実で彼女さんを追い出し、空いた部屋に私を呼んでいた。

嘘が、一枚ずつはがれていきます。

「全部作り話でしょう」

畳みかけられて、先輩の顔つきが変わりました。

「落ち着いてくれ、話せば分かるから」

けれど、その声はもう震えています。ベランダには、彼女さんのものらしい靴や服が、雑に押し出されていました。

今夜のために、彼が慌てて隠したのだと、見ただけで分かります。

「その子まで、巻き込んだんだね」

彼女さんの声は、あきれたように低くなっていました。

次々と嘘が暴かれていくのを、私はただ突っ立って聞いています。

「私、失礼します。もう関わりません」

そう告げて玄関を出るとき、先輩は青ざめた顔で立ち尽くしたままでした。

引き止める言葉も、もう出てこなかったようです。

階段を下りながら、私は一度も振り返りませんでした。泊まる前にあの人の本性を知れたことだけが、せめてもの救いだったと思っています。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ