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「ボール1個で怒るんですか」隣人の子供が壁にぶつけてくるボールの音。だが、注意書きを貼った結果、親が頭を下げた

  • 2026.7.13

寝室の壁を毎日叩く音

隣の家には、小学生くらいのお子さんがいる。

天気のいい日は、庭に友達を呼んでドッジボールに興じていた。子どもが元気に遊ぶこと自体は、微笑ましいと思っていた。

困るのは、ボールの飛ぶ方向だった。隣の庭とうちの寝室は、低いフェンス一枚を挟んで隣り合っている。投げそこねたボールが、いつも我が家の寝室側の壁に、ドンッと重い音を立てて当たるのだ。

その音は、昼寝をしていた我が子を起こし、夜勤明けで眠る夫を叩き起こした。

一日に何度も、壁が内側から震えるように響く。けれど親御さんに直接言うのは角が立つ気がして、私はずっと飲み込んでいた。

ひとつ気になっていたのが、向かいの御宅のことだ。

そちらにもボールは飛ぶらしく、塀には「監視カメラ設置中・フェンスにボールを当てないこと」という張り紙が貼られていた。

それからというもの、親御さんはいつも向かいの家にボールが飛ばないよう、そちら側に立って見守るようになった。

カメラのある家には気を配り、何も言わないうちには当たり放題。その差が、じわじわと胸に刺さっていった。

向かいに倣って貼った紙

思い切って、私も一枚の紙を用意した。

向かいに倣って「録画中・こちらの壁にボールを当てないでください」と書き、寝室側のフェンスに貼ったのだ。

翌日、それに気づいた親御さんが、少しむっとした顔でやってきた。

「ボール1個で怒るんですか」

まるで、こちらが心の狭い人間だと言わんばかりの口ぶりだった。私は静かに、スマホの画面を差し出した。数日前から録っていた、壁にボールが当たる音の動画だ。何度も、何度も、鈍い音が響いている。

「1個とかじゃないんです。毎日、この音が寝室に響いていて」

再生される音を聞くうち、親御さんの顔から険しさが抜けていった。

壁には、うっすらとボールの跡がいくつも残っている。それを指し示すと、相手はようやく言葉を失った。

「…知りませんでした。本当に、申し訳ありません」

そう言って深く頭を下げ、その日のうちにお子さんへ言い聞かせてくれた。翌週には、庭にボール止めのネットまで張ってくれた。

向かいの家にだけ向いていた背中が、こちらにも向いた瞬間だった。言わなければ伝わらない。

当たり前のことを、私はずっと我慢で覆い隠していたのだと、そのとき気づかされた。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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