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ニンゲンが“飼われる側”の世界。異形の魔人に飼われる青年は少しずつ異世界に馴染んでいき…?【書評】

  • 2026.7.12

【漫画】本編を読む

きれいなものを見て、心が動くのは、それだけ心に余裕があるということなのかもしれない。ふと目の前に現れた花に思いがけず心を動かされるなんて、胸に不安が渦巻いていたらなかなかできないだろう。

『続!ニンゲンの飼い方』(ぴえ太/KADOKAWA)は、異形の魔人の世界で暮らすことになったニンゲンと、その世話をする飼い主の日々を描く異色のコミック。最初は奇妙な世界に怯えていたニンゲンが、飼い主と暮らす中で少しずつ生活に慣れていく。その変化に、つい頬がゆるんでしまうのだ。

飼い主がニンゲンのために用意したのは、ピンク色の葉が美しい「エザク草」。青年は突然見せられたその植物に最初こそ驚くが、やがて「桜みたいだな」と感じ始める。もともと人混みが嫌いで、花見にも興味がなかった青年だが、目の前で咲く不思議な花を眺めているうちに、「まあ 花見も悪くないかもな」と思うのだ。

そんな姿が何とも心に沁みる。青年はまだ、この世界に完全に馴染んだわけではない。飼い主のことも、この世界のことも分からないことだらけだ。それでも、見知らぬ世界に咲く花を、元の世界の桜に重ねることで、少しだけ気持ちがやわらぐ。異世界での暮らしに、ほんの少し安らぎを感じたのだろう。

けれども、エザク草には実は秘密があって……。やっぱりこの世界はどこか奇妙で、ちょっぴり危ない。それでも、青年が少しずつこの世界を受け入れていく姿は愛おしい。ニンゲンが“飼われる側”になるという設定だからこそ、ペットの心の変化に思いを馳せずにはいられない。

文=アサトーミナミ

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