1. トップ
  2. 【化け子・60歳】ルーティンを手放して気づいた「続ける」より大事なこと

【化け子・60歳】ルーティンを手放して気づいた「続ける」より大事なこと

  • 2026.7.10

【化け子・60歳】ルーティンを手放して気づいた「続ける」より大事なこと

大人女性の笑顔を引き出すヘアメイク技術はもちろん、動画を通して伝わる朗らかな人柄でも支持を集めるヘアメイク職人・化け子さん。現役のヘアメイクアップアーティストとして、美容系YouTuberとして、年々活動の幅を広げているエネルギッシュさの裏には、心身のバランスを保つためのライフスタイルの転換がありました。

PROFILE
化け子
ばけこ⚫ 1966 年、岡山県生まれ。本名・岸順子。芸能界で37 年以上現役ヘア&メイクとして活躍する一方、登録者44万人超のYouTube チャンネル「ヘアメイク職人化け子の駆け込み寺」で、大人女性の笑顔を引き出すメイクを伝授。NHK「あさイチ」でも、そのシミ隠し技術が話題に。

がんじがらめなルーティンを手放してみた

5時に起床してトイレに行ったら、お湯を沸かしてから、ベッドの上で瞑想に入る。その後、白湯を飲んで、玄関掃除、トイレと洗面所の掃除をおこないます。簡易的な仏壇がわりのスペースの水や花を入れ替えて、お線香をあげる。朝ごはんを作って食べたら、8時からYouTubeで筋トレする様子を生配信する運動ライブを1時間。それを終えたら、散歩に出かける。これが、毎朝のルーティンでした。もう何年も続いていた、完璧に組み立てられた習慣。

でも、もともとの私は、だらけていいなら、どこまでもだらけてしまう人間。それでも、朝の限られた時間枠に、家のことも、自分磨きも、タスクをピタッとはめてやり切れるようになった。これが快感で続けていたら、いつしか苦もなくできるのが、自分にとって当たり前と思うようになっていました。

最初にこのルーティーンを立てようとしたときは、本当にだらけた人間だったのでかなり苦労したんです。まず、朝の時間でやりたいことを決めて、それぞれの行動がどの程度の時間がかかるか計測。次に、スムーズに進む順序を考えて、そのプラン通りに実行してみる。最初のうちは、「トイレ掃除したから、次は玄関掃除」などと、声に出しながら1つずつこなしていく。それを毎日がんばって繰り返していると、、気づいたときには頭で考えずとも体が動いてるような感覚に変わっていきました。

だらけがちな性格でもルーティン化できたことは、ひとつの成功体験でしたし、これによってテキパキ仕事をこなせた部分もありました。ただ、このルーティンは完璧にこなさないといけない。例外があるとすれば、仕事で早朝から出かけるときだけ。そう思い込むがあまり、がんばりすぎて、体に不調があらわれ始めました。そこで、一度、自分の心と体をリセットしてみようと、ルーティーンをすべてやめてみることにしたんです。

一度やめてみてわかった、心身の美活に大切なこと

ルーティンを全部やめて、ゆっくりとした朝をすごしてみたところ、やらなくても自分の調子は落ちないなとわかったり、やっぱり自然とやってしまうことが見えたりしてきたんです。そこで、改めて丁寧に自分を観察することの大切さを認識しました。今は、自分が心から必要としていること、自分の体が発するサインにきちんと目を向けて過ごしています。

大切な人へ想いを馳せる時間が心の栄養につながる

私は両親を早くに亡くして、何もしてあげられなかったという罪悪感みたいなものがあったので、お線香は毎日あげないといけないと思い込んでいました。でも、タスクとしてこなすものじゃないと、これも一回やめてみたんです。そうしたら、この時間は自分にとって大切なものだったと気づけました。父と母との思い出の写真と、長年に渡りお世話になった女優・野際陽子さんの写真に手を合わせることは、心が落ち着く時間になっています。

無理はせず、やりたい気持ちに従って体を動かす

トレーナーさんが隣で指導しながらの筋トレは、適切に体を使うことができますが、自分ひとりでやっていると、ついがんばりすぎて余計な負担をかけることに。そのせいで、手首や背中に痛みが出るようになってしまったため、運動もスパッとやめて、体をリラックスさせる方向に転換。だらだら過ごす心地よさもありますが、やっぱり体を動かすことで得られるスッキリ感も欲しくなる。そんな体が発するサインをキャッチしたときは、ストレッチや散歩など、ゆるい運動で調整しています。

ルーティーンを持つこともやっぱり必要

何年も続けた朝の習慣を手放して得られたこともありますが、ルーティーン化するメリットもやっぱりあるなと思います。ルーティーンを設定しておくと、やりたいと思ったことでも「やっぱり、やらなくていいか」と思考を変換しそうになるところを、体が勝手に動き出して「よし、やろう!」という気持ちに切り替わる。自分の心のスイッチを入れる、きっかけ作りとして活用しています。

その一方で、ルーティーンに対しての義務感は手放しました。決めたことを完璧にこなさないと!と必死になったり、できないことがあって、気持ちが落ちたりする必要はないですから。設定はゆるく、やらない日があってもいい。どんな自分も認められるマインドでいることが、いつでも心から笑顔でいられる、私なりのコツかもしれません。

撮影/池田博美 取材・文/政年美代子

元記事で読む
の記事をもっとみる