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“化繊”の無限の可能性。表現の幅を支える「コムデギャルソンの非天然素材」

  • 2026.7.7

いつも自分のワードローブには長く愛着の持てるアイテムを加えていきたいと思っているが。一方でその選択肢は常にアップデートしていたい。2026年春夏シーズンに大切にしたいのは、“WELL−MADE”(作りの良い)なアイテムを見つける視点である。ここでは「コム デ ギャルソンの非天然素材」をキーワードに、一歩先行くマスターピースをご紹介します。

photo: Daisaku Ito / text & edit: Shigeo Kanno

〈コム デ ギャルソン・オム ドゥ〉のジャケット
BRUTUS

〈コム デ ギャルソン〉にとって非天然素材は、“化繊”という言葉から想像される天然素材の代用品ではなく、服作りに欠かせないピースの一つ。レーベルを問わず綿やウール、シルクと並列で考えられ、特に90年代後半以降は「表情を自在に変えられる素材」として開発にも力を入れてきた。〈コム デ ギャルソン〉の非天然素材、とりわけポリエステル素材を駆使した服が今また新鮮に映る。

素材選びの基準は、あくまでデザインありき。そのうえでデザインを最もよく表現できるのがポリエステル素材だと判断されたときに採用される。つまり素材は主役にも脇役にもなり、役割はデザイン次第で変わる。中でもポリエステル素材が重宝される理由は、その扱いやすさと表現力のバランスだ。発色が良く、丈夫で、乾きやすく、形も安定する。

こうした特長は機能面だけでなく、実験的なデザインを形にするうえで効果的に働く。硬さも柔らかさも演出できるため、シルエット作りの幅が広がるのだ。さらに現在は、技術の進化により、素材の特性は制約ではなくコントロール可能な要素になっているので、デザイナーはより自由に発想できるだろう。

〈コム デ ギャルソン・オム ドゥ〉のジャケット
3着のジャケットは、エステル加工糸サージを使用し製品後に加工された独特の風合いが持ち味で、普遍的な人気アイテム。これらは〈コム デ ギャルソン・オム ドゥ〉だが、ほかのレーベルからもポリエステル素材のアイテムは多数展開されている。写真左から、ジャケット121,000円、99,000円、99,000円(以上コム デ ギャルソン・オム ドゥ/コム デ ギャルソン TEL: 03-3486-7611)
〈コム デ ギャルソン・オム ドゥ〉のジャケット
BRUTUS

素材と技術、そしてデザインが互いに刺激し合いながら組み上がる関係性こそが、〈コム デ ギャルソン〉の服の新しさを支えている。そしてそのクリエイションの側面には、ポリエステル素材というマルチな素材が、表現の幅を支える重要な要素として存在する。

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