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今買える人間国宝による逸品。目利きが選んだ、現代の暮らしに合う工芸品を紹介

  • 2026.7.3

国宝は買えないけれど、人間国宝が手がけた工芸作品なら、買えるものがあるんです。工芸技術の分野でこれまで認定された作家の中から注目の作家を厳選。現代の暮らしに合う、今買える、今欲しい作家の逸品を目利きの美術ギャラリーで選んでもらいました。

photo: Keisuke Fukamizu / styling & text: Rie Nishikawa / coordination: Natsuki Ando(PRECOG Gallery)

石黒宗麿/黒釉刷毛目皿、荒川豊藏/志野酒盃
BRUTUS

石黒宗麿(いしぐろむねまろ)/黒釉刷毛目皿(こくゆうはけめさら)

鉄釉陶器

石黒宗麿/黒釉刷毛目皿
釉薬の鉄分で黒、茶、柿色などに発色させる鉄釉陶器。石黒宗麿は、その一つ、中国・宋時代の幻の技法「木葉天目」(黒釉に木の葉を焼き付けた茶碗)を再現したことが評価された。勢いのある刷毛の塗り跡が石黒宗麿らしい作品。H4.0×φ20.5cm。495,000円。(取り扱いギャラリー:しぶや 黒田陶苑)

荒川豊藏(あらかわとよぞう)/志野酒盃(しのしゅはい)

志野

荒川豊藏/志野酒盃
1,300年以上の歴史を持つ岐阜県の美濃焼。荒川豊藏は桃山時代に誕生した白釉を用いた志野、漆黒の光沢を持つ瀬戸黒の復興に尽力した。独自の手法を取り入れた「荒川志野」が高く評価される。H4.6×口径7.7cm。1,320,000円。(取り扱いギャラリー:しぶや 黒田陶苑)

濱田庄司(はまだしょうじ)/黒釉錆流描角皿(こくゆうさびながしがきかくざら)

民芸陶器

濱田庄司/黒釉錆流描角皿
日常の器に健康的な美しさを見出す民芸陶器。濱田庄司は1920年代後半に勃興した民芸運動の中心的存在。力強い作風で知られ、柄杓で釉薬を流し掛け、一気に描き出す技法を得意とした。H7.9×W32.0×D31.5cm。1,100,000円。(取り扱いギャラリー:しぶや 黒田陶苑)

金重陶陽(かねしげとうよう)/備前窯獅子香盒(びぜんがまししこうごう)

備前焼

金重陶陽/備前窯獅子香盒
備前焼は古墳時代の土器が変化したもので平安時代が始まりの古窯。釉薬を使わずに絵付けもしない焼き物。金重陶陽は土そのものの風合いや個性を生かした土味(つちあじ)と呼ばれる作風を確立した。H7.8×W5.1×D7.2cm。1,980,000円。(取り扱いギャラリー:しぶや 黒田陶苑)

富本憲吉(とみもとけんきち)/色繪金彩箸墨(いろえきんさいはしずみ)

色絵磁器

富本憲吉/色繪金彩箸墨
磁器の表面に赤、黄、緑など上絵具で文様を描く色絵磁器。日本では17世紀の有田焼の柿右衛門や古九谷が起源。その技術を継承する近代陶芸の巨匠の、巻物を意匠にした5個組の箸置き。各H1.3×W4.2×D3.7cm。385,000円。(取り扱いギャラリー:しぶや 黒田陶苑)

黒田辰秋(くろだたつあき)/欅丸盆(けやきまるぼん)

木工芸

黒田辰秋/欅丸盆
木工芸で一般的であった分業制に疑問を持ち、図案制作から素地作り、装飾まで一貫して行った黒田辰秋。欅の素材を生かすため、漆を吸い込ませるように塗っては拭き取る工程を重ねる拭漆の作品。H3.2×φ25.5cm。605,000円。(取り扱いギャラリー:しぶや 黒田陶苑)

三輪休和(みわきゅうわ)/萩茶盌(はぎちゃわん)

萩焼

三輪休和/萩茶盌
萩焼は山口県萩市を中心に作られる柔らかい風合いの焼き物。萩焼の特徴、白釉で稲藁(いなわら)の灰から独自の白濁釉を生み出し、新境地を開いた三輪休和。白の純度の高さから「休雪白」と呼ばれる。H9.7×口径15.0cm。1,100,000円。(取り扱いギャラリー:しぶや 黒田陶苑)

増田三男(ますだみつお)/金彩赤銅香合(きんさいあかどうこうごう)

彫金

増田三男/金彩赤銅香合
彫金とは金属の表面をたがねや金槌を使って成形し、立体的な装飾を施す金工技法。草木や動物を写生し、その姿を表現した作品を得意とする増田三男の愛らしい黒猫が描かれた小さな容器。H3.6×W5.3×D3.7cm。660,000円。(取り扱いギャラリー:しぶや 黒田陶苑)

赤地友哉(あかじゆうさい)/はりぬき八角茶(はりぬきはっかくちゃき)

髹漆

赤地友哉/はりぬき八角茶器
髹漆(きゅうしつ)は木、竹、紙などの下地に漆を何度も塗り重ね、研ぎと磨きを繰り返し、実用的な強さと芸術性を両立させる技法。この茶器は和紙を何枚も貼り重ねて八角形を作り、漆塗りで仕上げた作品。H7×φ6.3cm。275,000円。(取り扱いギャラリー:しぶや 黒田陶苑)

志村ふくみ(しむらふくみ)/出袱紗(だしふくさ)

紬織

志村ふくみ/出袱紗
農村の手仕事であった素朴な絹織物、紬織(つむぎおり)を芸術の域まで高めた染織家。植物の根や枝、葉を炊き出した染料で先染めされた糸が自然な風合いを醸し出す。出袱紗は濃茶を出す際などに添える茶道具。H27.2×W28.5cm。77,000円。(取り扱いギャラリー:しぶや 黒田陶苑)

Information

しぶや黒田陶苑
BRUTUS

しぶや黒田陶苑

1969年創業。北大路魯山人を筆頭に近現代の巨匠陶芸家の一品から工芸作家の作品までを紹介。年間約40回の企画展や個展を開催する。

住所:東京都渋谷区渋谷1-16-14 メトロプラザ1F
TEL:03-3499-3225
営:11時~19時
休:木曜日

高村豊周(たかむらとよちか)/崖(がけ)

鋳金

高村豊周/崖
父は木彫家の高村光雲、兄は詩人で彫刻家の高村光太郎。高村豊周はその高村家の三男。金属を溶かし、型に流し込んで作る鋳金技術で朱銅を素材に用いたソリッドな作品を作り出した。H32×W17.5×D13cm。660,000円。(取り扱いギャラリー:KANEGAE)

Information

KANEGAE
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KANEGAE

ジャンルや時代にかかわらず、工芸作家も現代アートのフィールドで積極的に紹介する。ファッションブランドとのコラボレーションも多数予定。

住所:京都府京都市北区紫野下門前町43
TEL:075-491-2127
営:10時~17時30分
休:不定休

飯塚小玕斎(いいづかしょうかんさい)/かけ花籃(かけはなかご)

竹工芸

飯塚小玕斎/かけ花籃
世界のアートコレクターが注目する近代竹工芸の第一人者、飯塚琅玕斎(ろうかんさい)の息子。父から引き継いだ高度な伝統技術を駆使し、竹の美しさに加え、空間をも構成するような彫刻的な表現方法が魅力だ。H16×口径16cm。275,000円。(取り扱いギャラリー:古美術上田)

金森映井智(かねもりえいいち)/布目象嵌鋳銅花入(ぬのめぞうがんちゅうどうはないれ)

彫金

金森映井智/布目象嵌鋳銅花入
彫金の中でも象嵌は世界で最も古い工芸装飾の一つ。素材の表面を彫り、金、銀、貝などの別の素材をはめ込んで模様や絵を描く。布目象嵌は繊細で優美な京都の金工技術。金森映井智の初期の作品。H15×口径12cm。275,000円。(取り扱いギャラリー:古美術上田)

Information

古美術上田
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古美術上田

骨董のみならず、現代に至るまでの工芸にも注目するギャラリー。竹工
を中心に様々な作品を扱う。国内の美術骨董フェアなどに出展。

住所:東京都文京区千駄木3-41-12
予約制。Instagram(@ueda_arts)のDMにて連絡を。

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