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「映画においてかつてなかった愛の表現」——幻のフランス映画『オー・パン・クぺ』、没後30年を経てついに日本公開

  • 2026.4.15

今週末、長らく“幻”とされてきたフランス映画がついに日本のスクリーンに姿を現す。4月18日より公開されるのは、ギィ・ジル監督の初期二作品『海辺の恋』と『オー・パン・クぺ』。日本未公開のまま時を止めていたこれらの作品が、初期二作同時公開というかたちで蘇る。

なかでも注目を集めているのが、長編二作目となる『オー・パン・クぺ』だ。本作は、死を選んだ恋人の記憶と共に生き続ける女性の内面を描いた、きわめて私的で、同時に普遍的な愛の物語である。主演はマーシャ・メリル。彼女は脚本に心を打たれ、自ら製作会社を立ち上げて本作を完成させたという逸話からも、この作品に込められた情熱の深さがうかがえる。

物語の核にあるのは「不在」である。恋人ジャンを失ったジャンヌは、彼の死を知らぬまま、記憶の中で彼と生き続ける。現在はモノクロで、過去の記憶はカラーで描かれる映像表現は、愛の残像がいかに鮮やかで、同時に取り戻せないものかを静かに突きつける。この演出を、作家で映画監督のマルグリット・デュラスは「映画においてかつてなかった愛の表現」と称賛した。

タイトルの『オー・パン・クぺ』は、二人が逢瀬を重ねたモンマルトルの実在のカフェの名に由来する。時が止まったようなその場所に残るのは、失われた愛の気配だけだ。生前はほとんど顧みられることのなかったギィ・ジルだが、没後30年を経た今、再評価の波とともに日本公開が実現した。その映像は、消えゆくものの美しさを、そっと胸に残す。


https://youtu.be/mzLTPwTt544?si=YWKKm-7Iv4T0Uz2v


監督・脚本:ギィ・ジル 撮影:ジャン=マルク・リペール、ウィリー・クラント
音楽: ジャン=ピエール・サロ
録音:ミシェル・ファノ 編集:ジャン=ピエール・デフォッセ
出演: マーシャ・メリル、パトリック・ジョアネ、ジャン・ドワ・ベルナール、ピエール・フレデリック・ディティス、リリ・ボンタン
原題:Au pan coupé 日本語字幕:坂本安美 提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サクセション 配給:クレプスキュール フィルム
コピーライト: ©1968 Machafilm 【1967 年/フランス/フランス語/モノクロ・カラー/68 分/DCP]

2026 年 4月18 日 ( 土 ) より シア ター・イメージフォーラムほか 全国順次公開

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