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付き合い始めたふたりは、気づけばほぼ同棲状態に。互いにマイペースだけど心地よい、ちょっと変わった恋の物語『ニシハラさんのわかりにくい恋』【書評】

  • 2026.7.3

【漫画】本編を読む

恋愛漫画といえば、ドキドキやすれ違い、修羅場など感情を揺さぶる展開が定番だ。しかし『ニシハラさんのわかりにくい恋』(ニシハラハコ/オーバーラップ)は違う。そんな場面は一切なく、あるのはちょっと変わったふたりのちょっと変わった日常だ。

主人公のヨシダハルコは、美術大学を中退してイベント会社に就職した若手社員。そんな彼女が惚れたのが、同じ会社で働く営業マンのニシハラナツキだ。彼は仕事はできるものの、バーベキューの最中にひとりで読書を始めてしまうという超がつくほどのマイペースな性格で、恋愛においては驚くほど淡白な男性なのである。

第1巻でハルコのまっすぐなアプローチに折れたニシハラ。第2巻では交際を始めたふたりがいつの間にか5.5畳のワンルームで同棲状態になっているところから話が始まる。恋愛漫画において同棲は大きなイベントに位置づけられることが多いが、ニシハラは家でも休みなく働き、ハルコは料理をしないなど、同棲という言葉から想像するキラキラしたものとはほど遠い生活を送っている。しかしふたりの生活はうまく回っており、このズレた空気こそが本作の最大の魅力である。

互いが互いのペースをまるごと受け入れているために気を遣いすぎることはなく、とはいえ無関心というわけでもない。淡白ながらもニシハラがハルコを大切にしていることが言葉ではなく行動の端々からじんわりと伝わってくるのだ。一方のハルコも、彼のペースに無理に合わせようとはせず、でも相手のことをちゃんと見ている。そんなふたりの姿を見ていると理想的なパートナーに見えてくるのだ。

ちなみに2026年6月15日には最終巻となる第5巻が発売。このマイペース過ぎる「わかりにくい恋」を結末まで一気に楽しんでほしい。

文=つぼ子

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