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元教員「血の気が引きました」夏休み開始後、空っぽの教室で見つけた忘れ物…→炎天下の校区を走り回ったワケ

  • 2026.8.6
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出典:photoAC ※画像はイメージです

こんにちは。元小学校教員のみずいろ文具です。

子どもたちにとって、待ちに待った夏休み。

しかし、終業式を迎える頃には、子どもたちだけでなく、教師もすっかり疲れ切っています。

「もう少し、あと少し」

そう自分に言い聞かせながら、教師もなんとか終業式まで走り抜けるのです。

ところが、ある年の終業式。私は最後の最後に、大きな失敗をしてしまいました。

終業式は配るものが山ほどある

授業参観や個人懇談、夏休みの宿題やお便りの作成、子ども同士のトラブル対応。

7月の様々な行事を乗り越え、やっとの思いで辿り着いた教員1年目の終業式でした。

この日は、子どもたちに配るものがたくさんあります。

通知表に夏休みの宿題、絵日記や観察カード、学校や学年からのお便り、ラジオ体操のカードなど、机の上には配付物が山積みです。

私は子どもたちと一緒に確認しながら、順番に配っていきました。

「宿題の冊子はある?」
「お家の人に渡してね」
「忘れ物しないでねー」

やるべきことを終えて、玄関へ。
早く夏休みを迎えたい子どもたちが、いつも以上に落ち着かない様子でした。

「先生、さようなら!」
「夏休み明けにまた会おうね!」

慌ただしく子どもたちを見送り、校舎の中が静かになった瞬間、私は大きな解放感に包まれました。

「やったー!ようやく一息つける……」

とりあえず職員室へ戻ろうと思いましたが、子どもの忘れ物がないか教室に立ち寄ることにしました。

教室に残されていた輪ゴムの束

教室に戻ると、テレビ台の上に、見覚えのある紙の束。

輪ゴムできれいにまとめられた、クラス全員分の「生活表」です。

それを見た瞬間、さーっと血の気が引きました。

「やってしまった」

生活表とは、夏休み中の生活リズムを整えるために使う用紙です。

私が勤務していた学校の生活表には、起床や就寝、学習などの一日の予定を書き込む欄や、毎日の出来事を短く記録する欄がありました。

夏休み初日から使うものなので、後日渡せばよいというわけにはいきません。

何度も確認したつもりでしたが、終業式までに蓄積した疲れからか、「うっかり」をやってしまいました。

わずかな望みをかけ、恐る恐る教頭先生に相談してみました。

「あのー、すみません、生活表を配り忘れてしまったのですが……明日、各家庭を回って届けるのではダメでしょうか

しかし、返ってきたのは予想どおりの答えでした。

「いやー、初日から使う家庭もあるでしょ。今日中に届けたほうがいいよね」

「……そうですよねぇ」

ダメもとで聞いてみたものの、やはりダメでした。

炎天下の校区を自転車で走り回ることに

その日の午後、私はクラス全員分の生活表を抱え、自転車で校区内を回ることになりました。

最高気温30℃。日差しが照りつける中、子どもたちの家を一軒ずつ訪ねます。

「すみません。生活表を渡し忘れてしまって……」

突然の訪問に驚く保護者の方や子どもに事情を説明しながら、玄関先で生活表を手渡しました。

終業式の朝には、「今日を乗り切れば夏休み」と思っていたはずなのに、まさか午後から炎天下を走り回ることになるとは思ってもいませんでした。

住所を確認し、自転車をこぎながら、私は何度も考えました。

「ああ、どうして、気づかなかったんだろう……」

ようやくすべての家庭へ届け終えた頃には、達成感よりも疲労感が上回っていました。

長期休み前の配付物は何度も確認

終業式の日は、教師も子どもも普段とは違う高揚感に包まれています。

さらに、配付物や連絡事項が多いため、いつもならしないような失敗が起きることもあります。

この一件以来、私は長期休み前になると、配付物の一覧を黒板に書き、子どもたちと指差し確認をするようになりました。

今でも輪ゴムでまとめられた紙の束を見ると、炎天下の校区を自転車で走り回った、あの日の暑さを思い出すのでした。



ライター:みずいろ文具

関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。


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