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うつ病で退職した50代男性→“障害年金”の手続きを進めようとするが…後日、社労士から告げられた事実に“青ざめたワケ”

  • 2026.7.21
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

社会保険労務士として相談を受けていると、制度の知識以上に「相談するタイミング」が結果を大きく左右する場面に何度も出会います。 「まだ申請するかわからないから」「もう少し落ち着いてから」と後回しにしてしまう方は少なくありません。しかし、社会保険の手続きには時間との戦いという一面が存在します。

今回は、ほんのわずかな時期のズレによって、受け取れるはずだった支援を逃しかけてしまった58歳男性の事例をご紹介します。

初めて知った障害年金と、立証を阻む「5年の壁」

53歳でうつ病を発症したAさんは、休職と復職を繰り返した末に退職。現在は妻のパート収入と貯蓄を切り崩して生活されていました。知人から障害年金の存在を聞き、私の元へ相談に来られたのは、初めて精神科を受診してから約5年6か月が経過した頃です。

障害年金の手続きでは「初診日」の証明が不可欠なため、早速初診時に数回だけ通い、その後転院してしまった最初のクリニックへ確認してもらいました。しかし返ってきたのは、カルテは保存期間を過ぎて廃棄したという不穏な回答でした。医師法によるカルテの保存義務は「診療完結時から5年間」であり、そのクリニックの最後の受診からちょうど5年が経過したタイミングだったのです。

「半年前に来ていれば…」消えてしまった決定的な証拠

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

その後も、お薬手帳や紹介状、古い通帳や家計簿まで自宅を探し回りましたが、初診日を明確に裏付ける決定的な資料は見つかりませんでした。結果として初診日の立証は極めて困難となり、障害年金の請求は厳しい状況に追い込まれてしまったのです。

相談の終わり際、Aさんは「半年前に相談していれば間に合ったかもしれない」とぽつりとおっしゃいました。もちろん時期が早ければ確実に受給できたとは限りませんが、カルテが残っていれば最大の難関である初診日の証明はクリアできていた可能性が高かったと言えます。

「もっと早く」の後悔を防ぐためにできること

社会保険の手続きにおいて、時間が経つほど集めにくくなる資料はカルテだけではありません。勤務先の記録や給与明細、離職票、医師の意見書なども、年月の経過とともに確認が困難になっていきます。

制度は、知っている人だけが得をするものではありません。しかし、制度の知識があっても、「もっと早く相談していれば」という過去の後悔までは取り戻せません。「まだ早いかもしれない」と迷っている段階こそが、実は手続きを開始すべき最適なタイミングです。

社会保険労務士の仕事は、申請書を作ることだけではありません。「まだ早いでしょうか」と迷っている人に、「今だからこそ確認しておきましょう」と伝えることも、大切な役割だと私は考えています。

あの相談以来、「気になったら、まず相談してください」と伝える理由が、私の中に一つ増えました。


執筆:小泉
社会保険労務士・FP2級/WEBライター

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