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“保険金1,000万”の終身保険に加入していた60代男性→「保険を見直そう」銀行へ向かうが…担当者に告げられた“思わぬ事実”

  • 2026.7.21
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「一度加入した生命保険だから、そのままで大丈夫」そう思っていませんか。実は、離婚や再婚などで家族構成が変わったとき、受取人の見直しを忘れると思わぬことが起こります。

今回は、受取人が前妻のままになっていた60代男性Bさんのエピソードをご紹介します。

「60歳を機に、夫婦で保険を見直そうと思いまして」

60代のBさんは、若い頃に死亡保険金1,000万円の終身保険に加入していました。

60歳の節目を迎え、「老後に向けて保険を見直そう」と、現在の奥さまと一緒に銀行の窓口を訪れました。

Bさんは以前に離婚を経験し、数年後に再婚。「長く払い続けてきた保険だから、いざというときも妻を守れる」と考えていました。
担当者と一緒に、奥さまも隣で保険証券を確認していたそのとき、担当者がある点に気づきました。

「受取人が、前の奥さまのままになっていませんか?」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「Bさん、受取人のお名前をご確認いただけますか?」と担当者。

Bさんが保険証券に目をやると、そこには前の奥さまの名前が。隣には現在の奥さまが座っています。Bさんは思わず冷や汗をかきました。

「これは前の妻の名前です。再婚したときに、変更するのをすっかり忘れていました」

生命保険の死亡保険金は、契約上の受取人に支払われるのが原則です。離婚しても受取人を変更しない限り、前の配偶者が受取人のまま。そのままだと、いざというときに現在の奥さまではなく、前の奥さまに1,000万円が支払われてしまう可能性があったのです。

「今の妻を守るための保険なのに、大変なことになるところでした」とBさん。

「受取人は、いつでも変更できます。ご安心ください。受取人は、契約者であるBさんのお手続きでいつでも変更できます」と担当者。

死亡保険金の受取人は、契約者が所定の手続き(被保険者の同意が必要)をすればいつでも変更できます。Bさんは前の奥さまとの間に子どもはおらず、変更に心配な点も特にありませんでした。窓口での説明を受け、その後すぐに保険会社に連絡し、受取人を現在の奥さまに変更する手続きを済ませました。

担当者は、こうも念を押しました。

「変更できるのは、あくまでご存命の間だけです。万一、受取人が前の奥さまのまま亡くなられてしまうと、その時点で保険金の受取人は確定してしまいます。後からご家族が『本当は今の妻に渡したかった』と申し出ても、変更は一切できません。だからこそ、お元気なうちに見直しておくことが何より大切なんです」

さらに担当者は、税金の面についても付け加えました。

「受取人が現在の配偶者でないと、税金の面でも大きな差が出ます。死亡保険金には『500万円×法定相続人の数』の非課税枠がありますが、これは相続人が受け取る場合のもの。前の奥さまは相続人にあたらないため、この非課税枠が使えません。それだけでなく、配偶者や子など以外の方が受け取る場合は相続税額が2割加算される仕組みもあり、税負担が二重に重くなってしまうんです。今の奥さまに変更しておけば、非課税枠が使え、2割加算の対象にもなりません」

「受取人を変えるだけで、こんなに違うんですね。夫婦で一緒に気づけてよかったです」とBさんは話してくれました。

生命保険は「受取人」を定期的に確認しよう

では、同じような事態を防ぐには、どうすればよいのでしょうか。

  • 死亡保険金は契約上の受取人に支払われるのが原則で、離婚しても受取人を変更しない限り前の配偶者が受取人のままになる
  • 変更しないまま万一のことがあると、現在の配偶者ではなく前の配偶者に保険金が支払われる可能性がある
  • 受取人を変更できるのは契約者が存命の間だけ。万一、受取人が前の配偶者などのまま亡くなると、その時点で受取人が確定し、遺族が「本来渡したい相手がいた」と申し出ても後から変更することは一切できない
  • 死亡保険金の受取人は、契約者が所定の手続きをすればいつでも変更できる(死亡保険の場合、被保険者の同意が必要)
  • 受取人が相続人(配偶者や子など)でない場合、死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)が使えないうえ、相続税額が2割加算される場合があり、税負担が重くなる。また、生命保険料控除の対象外になることもある
  • 結婚・離婚・再婚・出産など、家族構成が変わったタイミングで受取人を確認・見直す習慣をつけることが大切

「一度入ったから安心」ではなく、ライフステージの変化に合わせて受取人を見直すことが、大切な人にお金を届けることにつながります。保険の見直しについてお悩みの方は、ぜひ加入先の保険会社や窓口にご相談ください。


参考:
諸変更と届出(公益財団法人 生命保険文化センター)

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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