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“2,000万円”で実家を売却した60代姉妹→「税金400万円がかかる」と青ざめていたが…後日、税理士に告げられた“思わぬ事実”

  • 2026.9.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、お母さまを亡くされた60代のAさん姉妹の体験談です。誰も住まなくなった実家を売ることにし、「税金400万円がかかる」と支払いを覚悟していたところ、税理士から3,000万円の控除があると告げられました。

要件と期限が細かい特例について、Aさんの経験からご紹介します。

譲渡益2,000万円、税金は400万円のはずが…

60代のAさんは、昨年お母さまを亡くしました。お母さまは亡くなる直前まで、1980年(昭和55年)に建てられた一戸建てに一人で暮らしていました。

妹と二人で相続したものの、誰も住む予定はありません。空き家のまま置いておけば固定資産税がかかり、庭木も伸びます。Aさんは妹と話し、実家を売却することにしました。

売却代金から取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡益は、およそ2,000万円と見込まれました。母が40年以上前に取得した家なので長期譲渡所得にあたり、税率は20.315%です。計算すると税金はおよそ406万円。

「そ、そんな…。売却益の2割も税金で消えてしまうんですね…。」

姉妹は、思っていた以上の税負担に青ざめました。

3,000万円が控除できる特例があった

しかし、税理士に相談すると、思わぬ答えが返ってきます。

「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例が使えます」

亡くなった方が一人で住んでいた家を相続人が売った場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。譲渡益2,000万円は控除の範囲に収まり、税額はゼロになりました。

ただし要件は細かく決まっています。

  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
  • 区分所有建物でないこと
  • 相続の開始の直前に、被相続人が一人で住んでいたこと
  • 相続してから売却まで、住んだり貸したりしていないこと
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 耐震基準を満たした家屋を売るか、取り壊して敷地を売ること

ここに挙げたのは主なものです。ほかにも、売却の相手が配偶者や直系血族など特別の関係がある人でないことや、ほかの特例との重ねての適用に制限があることなど、細かい定めがあります。

なかでも見落とされやすいのが「一人で住んでいたこと」です。同居していた家族がいる場合、原則として対象になりません。

もうひとつ、2024年1月1日以後の譲渡には緩和があります。売る時点で耐震基準を満たしていなくても、譲渡した年の翌年2月15日までに耐震改修または家屋全部の取り壊しを終えれば、特例を受けられる場合があります。買主が工事をするケースも想定されています。

3,000万円控除には期限がある

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

この特例には、性質の違う期限が二つあります。

ひとつは、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までという売却の期限です。

もうひとつは、特例そのものの適用期限。2027年(令和9年)12月31日までの譲渡が対象とされています。

早く来るほうが実際の期限になります。相続が何年に始まったのかによって、どちらが先かは変わるのです。

なお、対象の家屋と敷地を相続で取得した相続人が3人以上いる場合、控除額は2,000万円に減ります。Aさんは姉妹二人で取得したため、3,000万円のままでした。

売却を決めたら、まず特例要件の確認を

耐震基準を満たして売るのか、取り壊して更地で売るのかで、段取りも費用も変わります。工事を翌年2月15日までに終える必要があるため、売買の日程から逆算しておく必要があります。

また、この特例は自動的に適用されるものではなく、税額がゼロになる場合でも、必要書類をそろえて確定申告をしなければ受けられません。Aさん姉妹も確定申告を済ませたことで、課税される譲渡所得はゼロになりました。

相続した実家を売ると決めたら、不動産会社に相談する前に、税理士か税務署で要件を確かめてください。特例を確実に使うためにも、売却を進める前に要件を確認しておきましょう。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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