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何十年も雪駄一筋だった父が、いきなり靴屋に猛ダッシュした理由に「思わず笑ってしまった」

  • 2026.6.28

一年中雪駄を履いていた筆者の父がある日突然「靴を買いに行く」と言い出し、何十年も変わらなかった父を動かしたのは、意外な相手のひと言で──。

画像: ftnews.jp
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雪駄一筋

「靴を買いに行く」
父がそう言った時、家族は思わず顔を見合わせました。
父は昔から一年中雪駄を履いている人です。
真夏はもちろん、冬になっても変わりません。
家には予備の雪駄が常備され、ストックがなくなったら買いに走るのが当たり前。
家族が「寒いから靴を履いたら?」と勧めても「これがええんや」と取り合わなかったのです。
そのため、何十年も雪駄一筋だった父の口から突然そんな言葉が出たことに、私たちは驚いていました。

変わらぬ父

父の雪駄へのこだわりは筋金入りでした。
行事ごと以外はどんな日も雪駄で出かけます。
「足が冷たくないん?」
父を見た近所の人に何度もそう聞かれます。
しかし父は「慣れとるから大丈夫や」と笑うだけ。
家族の誰もが、父はもう一生雪駄を履き続けるのだろうと思っていました。

だからこそ、靴を買うと言い出した理由が気になります。
「急にどうしたん?」
私たちが尋ねると、父は少し照れたように笑いました。

意外な一言

理由を聞いて、家族は思わず笑ってしまいました。
「おいちゃん、靴も買ってもらえんの? こんな寒いのに雪駄なん?」
父によると、釣り仲間である友人の息子さんからそう声をかけられたそうです。
その言葉を聞いた父は気になったらしく、靴を買いに行くことを決めたのだとか。

家族が何年も言い続けても変わらなかったのに、たったひと言で行動を起こした父。
さらに驚いたのはその後でした。
新しいスニーカーを履いた父は、友人の息子さんの前へ行き「買うたぞ」と得意げに報告したのです。
その様子はどこか誇らしげで、まるで褒めてもらうのを待っている子どものようにも見えました。

見えた一面

私は父のことを、頑固で人の話を聞かないタイプだと思っていました。
けれど、本当は周りの言葉をまったく気にしていないわけではなかったようです。

家族から言われると意地になってしまうけれど、少し離れた立場の人の言葉は素直に受け止められたのかもしれません。
雪駄からスニーカーへ変わっただけの小さな出来事でしたが、父の意外な一面を見ることができました。
今でも父がスニーカーを履いて出かける姿を見るたび、あの日の「買うたぞ」という得意げな顔を思い出して、少しだけ笑ってしまうのです。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年6月】

※本記事内の画像はイメージです。実在の人物・製品・ブランドとは関係ありません。
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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