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部活の遠征 バスは15万円のハードル…「誰が運転する?」北海道で見つけたヒント

  • 2026.6.26

部活の遠征中に…21人死傷

2026年5月6日、福島県の磐越自動車道で、部活動の遠征中だったマイクロバスがガードレールに衝突し、高校生ら21人が死傷する痛ましい事故が起きました。

このバスはレンタカーで、逮捕された運転手の男は、客を乗せて運転するのに必要な「二種免許」を持っていませんでした。

事故を受けて、松本洋平文部科学大臣は「部活動における生徒の移動は、安全確保が最優先」と話し、文部科学省は全国の教育委員会などに対して『児童生徒の安全確保を求める通知』を出しました。

通知には「国から貸切バスやタクシー事業の許可を受けた業者と適切に契約すること」「長距離や長時間にわたる移動が必要かどうか検討すること」などが盛り込まれました。

遠征中の死亡事故は、北海道でも起きていました。

過去の教訓を忘れないために

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2005年2月、十勝地方の浦幌町で、男性顧問が運転するワゴン車が大型トレーラーと衝突し、釧路の高校に通う18歳の男子生徒が死亡しました。

スピードスケートの全道大会に向かう途中の事故でした。

現状、北海道教育委員会は部活動の移動について、原則として「公共交通機関」または「貸切バスやタクシーなどの営業車」を使い、一定の条件を満たす場合のみ自家用車の使用を認めています。

実際に、道内の高校ではどのように対応しているのでしょうか。

遠征多いスポーツ強豪校の対策は?

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オリンピック選手など数多くのアスリートを輩出する芽室町の白樺学園高校では、学校がリースしている3台のバスを部活動の遠征に使っています。

バスは、アスリートコースの部活が全道大会や全国大会に行く時に利用していて、学校の施設管理をする「公務補」が運転しています。

二川毅教頭は「顧問の教員が運転する場合もまれにあるが、免許を持った責任のある人間だと証明するために保護者にも周知している」と話します。

さらに、この高校では乗車前のアルコールチェックに加えて、車両点検の結果や移動時間・走行距離などを運転日報に記入して管理職に提出するなど、独自のガイドラインを設けています。

一方、道教委などが推奨する貸切バスの導入は「費用の面で難しい」といいます。

「観光バスを貸切ると10~15万円の世界。保護者負担が多くなりハードルも高い。スポーツは遠征して胸を借りて強くなる。遠征がないと厳しい」

道内の別の私立高校で、貸切バスや公共交通機関を利用している学校もありますが、保護者負担やOBの援助で運用しているといいます。
こうした援助の有無によって差が出るという問題もあります。

「自治体」が遠征を支援

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そんななか、自治体が積極的に支援を行っている例もあります。

下川町の公立高校「下川商業高校」では、町が所有するバス2台を部活動の遠征に使っています。
1台は主に高校の遠征用、もう1台は平日は小中学生のスクールバスとして稼働しているものです。

さらに、運転は地元のタクシー会社のプロのドライバーが担当し、費用はすべて下川町が負担しています。

「善意頼み」はもう限界?

HBCテレビ「今日ドキッ!」のスタジオでは、遠征の安全確保について「善意頼みの限界」という意見が聞かれました。

ゲストコメンテーターの野宮範子さんは「実際は顧問の先生がマイクロバスを運転したり、保護者が当番で送迎していたりするケースも多いと聞く」と話し、こう指摘します。

「先生や保護者にとっては時間的・心理的な負担は大きいし、今回の事故でリスクや法的責任も浮き彫りになった。そうした不安がある中で、子どもたちの移動を『善意頼み』にするのはもう限界だなという感じがする」

HBCの堀啓知キャスターは「複数の部活や他の学校と共同でバスを発注するなど『広域で』助け合っていくのもいいのでは」と提案しました。

専門家「地域の実態に応じて規則の見直しを」

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安全を守るために何が必要なのか。
日本部活動学会の副会長で関西大学人間健康学部の神谷拓教授は、遠征の移動手段には地域差があり、全国統一のルールを作るのは難しいことから「地域の実態に応じた対策が必要」だと話します。

「都市部なら公共交通機関で移動できるが、郊外やへき地はそういうことにはいかない。それぞれの地域の教育委員会で、実態に応じた対策を講じ、これまでのガイドラインや規則の見直しが必要」

神谷教授は、安全管理の見直しだけでなく「部活動は何を目的とする教育活動なのか、どのくらい遠征が必要なのかも議論しなければいけない」と加えました。

北海道と道教委は部活動の遠征について実態調査を始めていて、その結果を踏まえて新たなルール作りを検討する方針です。

取材・文:HBC報道部
編集:Sitakke読者編集部ぬまぬま
※掲載の内容は、HBC「今日ドキッ!」放送時(2026年5月20日)の情報に基づきます。

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