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妊娠を喜び合っていたママ友と、赤ちゃんを死産した私。悲しい出来事のあとも続く日常をどう過ごすか【心理士インタビュー】

  • 2026.6.26

【漫画】本編を読む

「赤ちゃんに無事に生まれてきてほしい」親なら誰もが願う当たり前の幸せが、これほどまでに遠く苦しいものになるなんて。『わたしが選んだ死産の話』(桜木きぬ:著、医療法人財団順和会山王病院長 藤井知行:監修/KADOKAWA)は、著者である桜木きぬさんの死産の体験を克明に描いた実録コミックだ。

待望の第二子を授かった著者を待ち受けていたのは、おなかの赤ちゃんの染色体異常「18トリソミー」の宣告だった。18トリソミーの胎児は治療が困難な重い心疾患により、自然流産となることが多い。また、たとえ生まれても生後1週間以内に約60%が死亡し、生後1年まで生存する子どもは10%未満、とも言われている。赤ちゃんを無事に産みたい願いと、過酷な未来への不安。引き裂かれるような思いの中で、著者が選んだのは「死産」という決断だった。

本作に基づき、過酷な現実に直面した当事者の心情や周囲とのかかわりについて、臨床心理士・白目みさえさんに話を聞いた。

※本記事には流産・死産に関する内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

――作中では同じ月齢のママ友に死産の内情を打ち明けられず、お互いにどうしようかと気まずい思いをしていたシーンが描かれていました。死産のあとも、日常は続いていきます。当事者はどのような心持ちで過ごしていくとよいのでしょうか。

白目みさえさん(以下、白目):まず当事者の方にとって大切なのは、自分の気持ちに嘘をつかないことだと思います。周りに気を遣わせてしまうからといって、無理に話題にしたり、気にしていないふりをして明るく振る舞ったりする必要はありません。挨拶をしたり、ちょっとした雑談をしたりと、いつも通りのことをいつも通りにやる。それだけで十分です。

そのうえで、自分の気持ちは大切にしながらも、「わかってほしい」という思いを前に出しすぎないことも大切です。

カウンセリングの場では、気持ちが一気にあふれてもかまいません。心理士がブレーキ役になります。ただ、日常の人間関係ではそれは簡単ではありません。自分も相手もうまくブレーキをかけられず、結果としてお互いを傷つけてしまうこともあります。

日常は続いていきますが、心はすぐには追いつきません。無理に周囲のペースに合わせるのではなく、自分のペースでその場にいることを許してほしいと思います。

――身近な人からつらい気持ちを打ち明けられたら…周囲はどう迎え入れるとよいと思いますか。

白目:周囲の方にお願いしたいのは、「特別扱いしすぎないこと」です。事実を知ったあとで自然と話題を避ける配慮は、多くの場合すでに生まれています。そのうえで「あなたも私たちも、これまでと変わらない存在だよ」という態度でいてもらえることが、実は一番の安心につながります。

腫れ物に触るように扱われることも、何事もなかったかのように押し流されることも、どちらもつらいものです。少しだけ配慮しながら、でも関係そのものは変えない。そのくらいの距離感が、双方にとってちょうどよいのではないかと感じます。

取材・文=あまみん

白目みさえ(しろめ・みさえ)

臨床心理士、公認心理師、漫画家。精神科での臨床業務に従事しながら、自身の育児や仕事の体験を独自の視点で切り取った漫画を執筆。主な著書は『白目むきながら心理カウンセラーやってます』(竹書房)、『子育てしたら白目になりました』『放置子の面倒を見るのは誰ですか?』(KADOKAWA)など。

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