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井上咲楽の旅ごはんエッセイ「おいしい思い出」#5 ニュージーランド最後の夜は、ハンバーガーでさようなら

  • 2026.6.26

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旅先で食べた一皿を思い出すと、その土地の風や音までよみがえることがあります。

見た景色、聞いた言葉、漂う音楽——それらが食べ物と溶け合い、心の中でひとつの風景を描き出す。食べることと旅することのあいだにある、やわらかな時間。そんな「味の記憶」から始まる小さな旅をつづったエッセイです。

■#5 ニュージーランド最後の夜は、ハンバーガーでさようなら

ニュージーランド3日目。朝は8時に起床。本当は7時過ぎに起きようと思ったが起きられなかった。

悪夢を見た。最近走っていないことを責められるような夢……。

昨晩夕食を食べたレストランで朝食を食べる。グラノーラを一口。アプリコット?が乗ったグラノーラがとても美味しかった。

準備をして9時半に出発。ドライバーさんの案内でサイクリングツアーへ。Eバイクという電動バイクに乗って道を走る。クイーンズタウンの美しい街並みを見ながら走るサイクリングは爽快で、すごく気持ちがいい。電動バイクなのでペダルも軽くて漕ぎやすい。普段運動をしていない人でもきっと軽々と漕げる。細い橋を渡ったり塀のない道を走ったりスリルも感じる最高のサイクリングロードだった。このレンタルはいいなと思った。

ランチは近くのワイナリーへ向かうことに。サイクリングもここで終了!走行距離は15キロくらいだと聞いた。ちょうど良い運動になった。ニュージーランドにはワイナリーが多い。人気だそうだ。

食事を待っている間、隣の建物にあるチーズ売り場をのぞき、試食を楽しんだ。お土産になりそうなものを色々と見繕っていると、チーズの柄のエプロンを発見する。いろんなチーズが可愛らしいタッチで描かれていて、すごく素敵だった。でもエプロンは常に使うわけじゃないし……と思っていると、「今後、行った先々でエプロンを買うのはどう?」とマネージャーさんから提案くれた。とマネージャーさん。いい案だと思った。なんとなく、いつもマグネットを買っていたが、エプロンはいい案だ。私の趣味にも合っている。エプロンを購入し、食事の席に戻る。

白ワインを飲みながら、牡蠣をいただく。小ぶりな中に旨みが詰まっていて、つるんとした食感が最高に美味しかった。レモンをかけると牡蠣の濃厚さにアクセントが出ていくらでもいける。ドライバーさんが食べない分までいただいてしまうくらい美味しい。

続いてライスボールを揚げたようなものを食べる。ライスボールに添えてあった、きのこを煮たほろほろにしたもの?がとても美味しかった。美味しい組み合わせで驚いた。イカのフリットやパンなどをつまんで、ランチは終了。

ワイナリーでランチを堪能し、贅沢にそこから車で10分くらいのところにある別のワイナリーへ向かった。ワインのテイスティングを楽しむ。赤も白も、すごく美味しい。ワインは難しいイメージがあり、自分ではあまり飲まない。二日酔いにもなりやすい自信があったが、ここのワインは大丈夫だった。美味しい。

ワイナリーをはしごして、2軒目であるこのワイナリーもテイスティングをした。テイスティングと一緒に頼んだチーズと蜂蜜が甘くて美味しい。煮凝りみたいなデザートもチーズとよく合う味だった。ワインは、雄大な土地ですくすくと育ったのだろうと想像するだけでとても美味しく感じる。

ワイナリーを楽しんだ後は、クイーンズタウンの街中で散策を。ニュージーランドはとにかく街が美しくて、ゴミ箱も細かくある印象。ペットボトル、燃えるゴミ、リサイクルと細かく分かれていて、ゴミ箱も溢れていたりはしない。街も臭くない。それがすごいと思った。

海をずっと眺めていても、流木はあるが、ゴミは流れ着いていない。とても美しい。丸々としたかもめもいた。可愛い。カモメはフィンランドでもたくさん見た。丸々太っていてとても可愛かったことを思い出して、写真を数枚撮った。

そして、お土産やさんを散策。可愛らしいマグカップがあり、キウイがヘッドフォンをしてご機嫌な顔をしている絵柄があって、プレゼントしたいと想像した人にぴったりのお土産だと思って購入した。

お土産はあまり買わないことにしている。でも時々、無性に顔が思い浮かぶことがあって買っていく。その人は、別に親友でもなかったりする。でも、旅先で顔が浮かぶ人。ああ、ニュージーランドの旅が終わってしまう。ニュージーランドでもっと成長したかった。

そして、街中にある人気の老舗ハンバーガーショップでディナー。これがニュージーランドで食べる最後の食事となった。肉肉しいエネルギッシュなハンバーガー。1日目にお店の前を通り過ぎた時も大行列で、すごく楽しみにしていた。

ニュージーランドの人は優しくて穏やかな人が多い。そして、国全体がとってもサステナブルで、みんなが自然を楽しんでいて、それぞれが自然を大切にしている。

その日は空港近くのホテルに泊まり、翌朝の便で日本へ。機内でゆったりと席で過ごしていたらCAさんがやってきて前に座った。何かと思ったら、「あなたは走ると聞いた」と言われた気がして、そこからマラソントークが始まった。どうやらこのCAさんもマラソンが好きらしい。どのレースがおすすめ?と聞かれたので、阿蘇ボルケーノというトレランレースはいいと聞くよと言った。ニュージーランドのUTMBを走りたいと言ったら、こないだ走ったけどすごく綺麗だったと教えてくれた。

旅の締めくくりに、「ゲロ袋なんですけど〜!よかったらどうぞ!」と係員さんがゲロ袋いっぱいのお菓子をくれた。

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