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「うちの子、スポーツドリンクに混ぜたら飲んでくれたんです」その一言に薬剤師が“ヒヤリとした”理由

  • 2026.7.20
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

「うちの子、薬を全然飲んでくれなくて……」というご相談は、薬局の窓口で本当によく耳にします。

保護者の方が工夫を重ねる姿には頭が下がる思いですが、その工夫が思わぬ落とし穴になることもあります。

本記事では、スポーツドリンクで薬を飲ませていた30代のお母さんのケースと、症状が似ているからと兄弟で薬を分け合っていたケースをご紹介します。

いずれも「悪気はまったくない」ケースだからこそ、知っておいていただきたい基本のポイントをお伝えします。

はじめに|子どもの服薬は、大人以上にデリケート

大人と違って、子どもは「なぜ薬を飲まなければならないのか」を理解するのが難しいものです。

保護者の方は毎回、あの手この手で工夫されています。

「飲ませられればOK」ではない理由と、薬剤師の役割

「とにかく口に入ればいい」と考えたくなる気持ちはよく分かります。しかし、薬は"どうやって飲むか"によっても効果や安全性が変わります。

飲み方次第で、期待どおりの効果が出なくなることもあるのです。

服薬に苦労されている保護者の方に「頑張ってください」だけで終わらせず、具体的な工夫や代替案を一緒に考えるのが、私たち薬剤師の役割だと思っています。

エピソード①スポーツドリンクで薬を飲ませていた30代ママの誤解

ある日、30代のお母さんが「うちの子、スポーツドリンクに混ぜたら飲んでくれるようになったんです!」と、うれしそうに話してくださいました。

良かれと思った工夫が招いた"苦味の増強"

しかし、そのお子さんが飲んでいた薬は、酸性の飲み物と混ざると苦味が強くなってしまうタイプでした。

スポーツドリンクは意外と酸性度が高く、薬本来の味を打ち消すどころか、逆に苦くしてしまう可能性があるのです。

「これから急に嫌がるようになるかもしれません」とお伝えすると、お母さんは驚いた様子でした。ジュース、乳酸菌飲料、果汁など、酸味のあるものと相性が悪い薬は少なくありません。

処方時に「何と一緒に飲ませてよいか」を確認しておくことが、実はとても大切なのです。

エピソード②「兄弟で薬を分け合っていた」と後から判明したケース

別のご家庭では、上のお子さんに処方された薬を、症状が似ている下のお子さんにも少し分けて飲ませていた、ということが後から分かりました。

症状が似ていても、処方薬を共有してはいけない理由

風邪のような症状でも、原因や体質によって適切な薬は変わります。

同じ薬が別のお子さんに合うとは限らず、思わぬ副作用が出るおそれもあります。

医師がお子さんの症状に合わせて、最適な薬を処方しています。同じような症状でも、同じ薬になるとは限らないのです。

体重・年齢による用量の違いという基本原則

小児の薬は、体重や年齢に応じて細かく量が決められています。

上のお子さんの量を下のお子さんに使ってしまうと、多すぎる、あるいは少なすぎるということが起こり得ます。

「症状が似ているから」と分け合わず、必ず受診してその子に合った処方を受けていただきたいと思います。

読者へのワンポイントアドバイス|子どもの服薬で押さえたいポイント

最後に、日々の服薬で押さえておきたいポイントを2つお伝えします。

薬と一緒に飲んでよいもの・避けたいもの

基本は水またはぬるま湯です。それ以外のものと合わせたい場合は、薬ごとに相性があるため、処方時に薬剤師へ確認していただくのが確実です。

「これに混ぜて飲ませても大丈夫ですか?」の一言で、多くのトラブルは防げます。

飲ませ方に迷ったら、遠慮なく薬剤師に相談を

「こんなこと聞いてもいいのかな」ということほど、実は大切な質問だったりします。

お子さんの好みや性格に合わせた飲ませ方の工夫も、薬剤師と一緒に考えていけます。

保護者の方の毎日の工夫が、確かな効果につながるよう、私たちもお手伝いをさせていただきます。


ライター:下田篤男

京都大学薬学部総合薬学科を卒業後、調剤薬局やドラッグストアグループで薬剤師として勤務してきました。総合病院の門前店舗では管理薬剤師を務め、たくさんの患者さんと向き合う日々の中で、「薬を渡す」だけではない、人と人との関わりの大切さを実感しています。現在は薬剤師として現場に立ちながら、医療記事の執筆・編集や薬局経営コンサルタントとしても活動中。読者の皆さまに、薬局がもっと身近で頼れる場所になるような情報をお届けしていきたいと思っています。


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