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「今年のプールは週3日だけになるんですって」600戸マンション、妻が掲示板で目にした“思わぬ誤算”

  • 2026.7.22
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場経験があり、マンション管理士の資格を持つライターのS.Kです。マンション選びでは、豪華な共用施設に魅力を感じる方は多いのではないでしょうか。

とくに子どもが遊べるプールは、ファミリー層が物件を選ぶときの後押しになるはずです。ただ、設備そのものより、運営体制のほうが先に揺らぐことがあります。今回は、夏限定のプールが売りのマンションで、開放日数が減らされた家族の事例を紹介します。

夏休みの楽しみにしていたら…縮小のお知らせ

郊外に建つファミリー向けの大規模マンション(600戸)に暮らすBさん(30代の会社員)は、妻と幼い子どもの3人家族です。ゆとりある敷地には夏だけ開く子ども向けの屋外プールがあり、それも気に入ってこの住まいを選びました。

夏休みになると、監視員が見守るなかで子どもたちがプールで遊ぶのが毎年の光景でした。ところがある年の初夏、エレベーターホールの掲示板に、管理組合からのお知らせが貼り出されます。

今年プールを開くのは、週3日だけになるという内容でした。その日の夕方、掲示を見た妻がBさんに伝えます。

「今年のプールは、週3日だけになるんですって」

子どもが毎年楽しみにしているだけに、Bさんもがっかりしました。

設備はあっても動かす体制が続かない

お知らせには、監視員を確保できないことが理由として書かれていました。プールの監視を任せていた警備会社で夏だけの短期の働き手が集まらず、「監視を頼む委託の費用も年々上がっている」という事情です。

国の安全指針では、プールの設置管理者に監視員を含む管理体制の整備が求められており、安全な監視体制が確保できない状態での開放は避けるべきとされています。理事会は委託先の変更も視野に、ほかの会社からも見積もりを取りました。

しかし、どこも人手不足で夏の間の監視員をそろえられず、費用は今より高くなるという回答でした。そこで管理組合は、監視員を確保できた日数だけプールを開くことにします。

子どもたちの楽しみは減りましたが、監視員がいないまま開放して事故が起きれば取り返しがつきません。翌年に向けて、開く時間の見直しや利用料のあり方は、理事会で検討が続いています。

共用施設は現在も使えるかを確かめて選ぶ

立派な設備があることと、それを維持・運営するための人員や費用の体制が続くことは別の問題です。設備は壊れていなくても、人手や費用の事情で、使える日数や条件が変わることがあります。

これから共用施設のあるマンションを検討するなら、内覧のときに、その施設が現在も当初どおり使えているかを仲介会社に確認してみてください。休止や縮小の経緯は、購入前に仲介会社を通じて確認できる「重要事項に係る調査報告書」や、総会の議事録でも確かめられます。

設備の一覧だけで判断せず、いま現在の運用まで見ておくことで、入居後のギャップを減らせるでしょう。

参考:プールの安全標準指針(文部科学省・国土交通省)



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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