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「うちは参加しないのですが…」マンション恒例の夏祭りをめぐり、40代理事に寄せられた"想定外の問いかけ"

  • 2026.7.21
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場経験があり、マンション管理士の資格を持つライターのS.Kです。多くのマンションでは、夏祭りなどの行事が恒例として親しまれています。

子どもたちが楽しみにしている催しですが、その費用がどこから出ているかを気にする人は少ないかもしれません。今回は、管理組合の理事になったことをきっかけに行事費用の出どころに気づき、ルールの見直しにつなげた居住者の事例を紹介します。

恒例の夏祭りで気づいた費用の出どころ

総戸数500戸の大規模マンションに暮らす40代の会社員Bさんに、輪番で管理組合の理事が回ってきました。このマンションでは毎年夏、中庭で夏祭りが開かれます。

模擬店やヨーヨー釣りが並ぶ、子どもたちの楽しみな行事です。理事会で年間の収支報告に目を通したBさんは、夏祭りの費用の多くが管理費会計から支出されていることに気づきます。

ちょうどそのころ、管理組合には一部の居住者から、費用の出どころを尋ねる声が寄せられていました。廊下で顔を合わせた居住者に、Bさんも直接聞かれます。

「うちは祭りに参加しないのですが、費用はみんなの管理費から出ているのですよね」

参加しない世帯もある行事に全員の管理費を充てていいのか、という問いかけでした。

管理費と自治会費は別のお金

理事会で調べたところ、国が示すマンション標準管理規約が手がかりになりました。標準管理規約は2016年の改正で、管理費の使途にあった「居住者間のコミュニティ形成に要する費用」の条項を削除しています。

背景には、管理組合と自治会・町内会の混同や、自治会的な活動への管理費支出をめぐる意見対立が各地で起きていた実態がありました。国の整理では、自治会費や町内会費は、地域のつながりのために居住者が任意で負担するものです。

建物や敷地という共有財産を維持管理する管理費とは、性質が異なります。主に親睦を目的とする飲食や娯楽の費用を、参加しない人も含めた全員の管理費でまかなうのは、なじみません。

親睦は参加者が、共用部分は管理組合が

理事会は夏祭りを一律にやめるのではなく、お金の出どころを整理する案をまとめました。模擬店やヨーヨー釣りといった飲食・娯楽の費用は、参加費と有志の負担でまかない、管理費からは支出しないことにします。

楽しむ人がその費用を負担する形です。一方、会場の中庭は全員で使う共用部分にあたります。管理組合は、行事のために中庭を使うことを認める立場として関わりました。

親睦の費用は参加者が、みんなの資産である共用部分の管理は管理組合が、という切り分けです。理事会がまとめた案は総会に諮られ、承認されます。翌年の夏祭りは、費用の負担をはっきりさせたうえで開かれ、子どもたちの楽しみも残りました。

このように親睦の費用は参加する人が負担し、みんなの共有財産は管理費で守る、という線引きを知っておけば、お金の使い道に迷いにくくなるでしょう。



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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