1. トップ
  2. 住まい
  3. 「よし、ちゃんと入るね」新築戸建てを購入した30代夫婦、入居後に毎日助手席から降りる羽目になった"盲点"

「よし、ちゃんと入るね」新築戸建てを購入した30代夫婦、入居後に毎日助手席から降りる羽目になった"盲点"

  • 2026.7.20
undefined
出典:PhotoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

住宅を購入するとき「駐車場〇台可」「並列駐車可」といった表示を見て、候補に入れる方は多いのではないでしょうか。実際に車が駐車スペースへ収まれば「これで大丈夫」と安心してしまうことも少なくありません。

しかし、見落とされがちなのが“乗り降りのしやすさ”です。図面上では問題なく見えても、実際に暮らし始めると、運転席のドアが十分に開かず、毎日の乗り降りが想像以上のストレスになるケースもあります。

今日は、新築戸建てを購入したものの「車が入れば問題ない」と考えて契約した結果、毎日助手席から降りなければならなくなった30代ご夫婦のお話をご紹介します。

ようやく見つけた理想の新築戸建て

これは、私が不動産会社で売買仲介をしていたころ、30代のAさんご夫婦からご相談を受けたときの出来事です。

Aさんご夫婦は建売の新築戸建てを探していましたが、希望する物件はなかなか見つかりませんでした。そんな中、ようやく条件に合う物件を発見します。

現地で実際に車を停めてみると、車体は問題なく駐車スペースに収まりました。

「よし、ちゃんと入るね」

ご主人がそう話すと、ご夫婦はほっとした表情を見せ、そのまま購入を決断されました。

まるで脱出ゲーム…。毎日助手席から降りる生活

入居後、初めて普段どおり駐車したとき、Aさんご夫婦は思わぬ現実に気付きました。運転席側とブロック塀との間はわずか数十センチしかなく、ドアを十分に開けられなかったのです。購入前に確認したのは「車が駐車できるかどうか」だけで、運転席や助手席のドアをどこまで開けられるのか、実際に無理なく乗り降りできるのかまでは試していなかったそうなのです。

「えっ…降りられない…」

体を横向きにしても通れず、結局、車内を助手席まで移動して降りるしかありませんでした。最初は「なんとかなるだろう」と考えていましたが、毎日の生活では想像以上に負担が大きくなっていきました。

スーパーで買い物をした日は、荷物を運びやすいように工夫しながら駐車することもあったといいます。それでも状況によっては、荷物を抱えたまま車内をまたいで助手席へ移動しなければなりません。雨の日には、助手席側から降りて車の前を回る間に全身が濡れてしまうこともあったそうです。

さらに、お子さんを乗せ降ろしする場面でも思うように動けず、日々のストレスは少しずつ積み重なっていきました。

「毎日のことだから、想像以上にストレスが溜まるな…」

外構のやり直しで、思わぬ数十万円の出費に

このままでは毎日の不便さが解消されないため、Aさんご夫婦は外構業者へ相談することに。しかし、返ってきた答えは予想以上に厳しいものでした。

「運転席側のスペースを広げるには、塀だけを動かすことはできません。フェンスや土間コンクリート(駐車場などに施工されるコンクリート舗装)も含めて、一度解体して造り直す必要があります」

つまり、完成した外構を一部壊し、もう一度工事をやり直さなければ改善できないということでした。

提示された工事費用は数十万円。住宅を購入したばかりで家具や家電にも費用がかかっていたAさんご夫婦にとって、この追加出費は決して小さなものではありませんでした。

「毎日このまま我慢するのもつらいし、でも数十万円もかかるなんて…」

悩んだ末、Aさんご夫婦は生活のしやすさを優先し、追加工事を依頼することを決断。

「車が入るかどうかだけじゃなく、実際にドアを開けて乗り降りまで細かく確認していれば…」

ご主人がそう嘆いたころには、追加工事はすでに終わっていました。しかし、避けられたはずの数十万円の出費は、もう戻ってきませんでした。

駐車場の使いやすさは盲点になりやすい

追加工事によって駐車場の使い勝手は改善し、Aさんご夫婦はようやく毎日の乗り降りをストレスなく行えるようになりました。ただ、数十万円の追加費用は「契約前に乗り降りまで確認していれば避けられたかもしれない出費」となりました。

実際に、限られた敷地でも外構計画や駐車方法を工夫し、快適に暮らしている住宅は数多くあります。一方で、図面上では「駐車可能」とされていても、車幅や塀・フェンスとの距離によっては、運転席や助手席のドアを十分に開けられないケースがあります。車が入ることと、毎日快適に使えることは必ずしも同じではありません。

住宅を購入する際は、駐車スペースに車が収まるかだけでなく、運転席・助手席・後部座席のすべてで無理なく乗り降りできるかまで確認しておくことが大切です。

可能であれば契約前に実際の車、または同じサイズの車で駐車し、ドアの開閉や荷物の積み下ろしまで試しておくと安心でしょう。

また、将来的に大型SUVやミニバンへの買い替えを予定している場合は、現在の車だけで判断せず、車幅やドアの開閉スペースにも余裕があるかまで確認しておくことが、住み始めてからの後悔を防ぐポイントになります。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ