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「使うときだけ借りればいい」都心タワマン3人暮らし、夏休みに直面した“カーシェアの落とし穴”【一級建築士は見た】

  • 2026.7.23
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

「マンションの駐車場代が月に数万円もして、週末しか乗らないうちには、もったいなくて。ちょうど近くにカーシェアのステーションがいくつもあったので、車は手放そうと決めて入居したんです。最初は順調でした。でも、夏休みに入ったとたん、週末の予約がぜんぜん取れなくなって…」

そう話すのは、昨年都心のタワーマンションの住まい(3LDK・73平方メートル)を買ったAさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。敷地内の機械式駐車場は月額が高く、車の出番は週末の買い出しとレジャーだけ。

「使うときだけ借りればいい」とカーシェアを前提に住まいを決めましたが、夏の週末、その前提が揺らぎました。

なぜカーシェアは、予約が取れなくなるのか

カーシェアは、ステーションに置かれた車を、会員どうしで共有する仕組みです。アプリなどで予約した人から順に使うため、マイカーとちがって「乗りたいときにいつでも乗れる」わけではありません。

そしていま、カーシェアの会員数は急速に増えています。消費者庁が2023年にまとめた資料「カーシェアリングの動向整理」でも、利用者の困りごととして「予約が取りにくい」が挙げられているほどです。1台の車を多くの会員で分け合う以上、使いたい日が重なれば、早い者勝ちになります。

Aさんのマンションのように都心で便利な場所ほど、周辺の会員も多く、同じステーションの車を取り合うことになるのです。

みんなが使いたい日は、同じ

見落とされがちなのが、車を使いたい日時は、みんなだいたい同じだということです。

平日の昼間はすいていても、土日の朝、連休、そして夏休みのような行楽シーズンには、予約が集中します。Aさんが使いたかったのは「夏休みの週末の日中」。それは、周辺の会員たちが使いたい時間帯そのものでした。

さらに、遠出のシーズンは1件あたりの利用時間も長くなります。誰かが朝から晩まで予約すれば、その車は丸1日埋まってしまう。台数の限られたステーションでは、数件の予約で週末が埋まることもめずらしくありません。

Aさん夫婦はどう対応したのか

そこでAさん夫婦は、予約のしかたを変えました。

まず、予定が決まったらすぐ予約すること。多くのサービスでは、利用日の2週間前など、予約を受け付け始める日が決まっています。夏の週末に使うなら、受け付け開始に合わせて確保してしまうのが一番確実です。予約で埋まっていても、キャンセルが出たらメールで知らせてくれる「空き待ち」の機能があるサービスもあります。

あわせて、時間をずらすことも覚えました。土曜の朝がだめでも、昼からや日曜の夕方ならすいていることがあります。近くの別のステーションも候補に入れ、月会費のかからない別のカーシェアにも登録して、選択肢を増やしました。

「車は『いつでもある』と思っていたのが間違いでした。予約のコツをつかんでからは、ほとんど困っていません」とAさんは振り返ります。

カーシェア前提で住まいを選ぶなら「空き」も見て

駐車場を借りずにカーシェアで暮らす選択は、車の維持費を大きく減らせる、合理的な方法です。車検や保険の手続きから解放されるのも、うれしいところです。一方で、カーシェアは共有の仕組みである以上、「使いたいときに必ず使える」保証はありません。カーシェア前提で住まいを選ぶなら、以下の点も確かめておくと安心です。

・周辺にステーションがいくつあり、車が何台あるか
・土日や連休の空き状況を、入居を決める前にサイトやアプリで見てみる
・予約はいつから取れるか、空き待ちなどの機能があるか
・丸1日の遠出はレンタカーと使い分ける前提でいるか

カーシェアは「自分の車」ではなく「みんなの車」だと知ったうえで、予約の仕組みごと暮らしに組み込めば、駐車場代のかからない車のある生活はじゅうぶん成り立ちます。

参考:
カーシェアリングの動向整理(消費者庁)
予約は何日前から可能ですか?(タイムズモビリティ)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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