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「あこがれのビルトインガレージをつくったんです」約4,300万円の注文住宅、初夏にNさん夫婦が直面した誤算

  • 2026.7.21
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「あこがれのビルトインガレージをつくったんです。中で趣味の作業もできて満足だったんですが……夏は、むっと蒸し暑くて作業どころじゃなくて。しかも、ガレージの上の子ども部屋まで暑いんです」

そう話すのは、郊外に注文住宅(木造2階建て・延床およそ40坪)を約4,300万円で建てたNさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。1階に、雨や盗難から車を守れて、趣味の作業もできるビルトインガレージを設けました。

ところが夏になると、シャッターを閉めたガレージ内に熱がこもって蒸し暑く、その上にある子ども部屋まで、ほかの部屋より暑くなっていました。

なぜビルトインガレージは、夏に熱がこもるのか

ビルトインガレージで熱がこもるのには、はっきりした理由があります。

ビルトインガレージは、家の1階に組み込まれ、大きなシャッターで開け閉めします。このシャッターは金属でできていることが多く、熱を伝えやすい性質があります。夏の日差しを受けると、触れないほど熱くなることもあり、その熱が中に伝わります。

コンクリートも、熱をためこみやすい性質があり、日中ためこんだ熱がなかなか冷めません。そこに走行後の車のエンジン熱も加わります。そのうえ、シャッターを閉めると密閉性が高くなり、空気が流れにくくなります。熱い空気がこもって、中が蒸し暑くなるのです。

暑いのは、ガレージの中だけではない

見落とされがちなのが、その熱が、ガレージの中だけにとどまらないことです。

ビルトインガレージは、家に組み込まれた空間です。だから、ガレージにこもった熱は、上や隣にある部屋にも伝わります。ガレージの上が子ども部屋や寝室だと、その部屋だけ暑くなったり、冷房が効きにくくなったりすることがあるのです。

カギになるのが、ガレージと居室の間の断熱です。ここがしっかりしていないと、ガレージの暑さが、そのまま家の中に響いてきます。

Nさん夫婦はどう対応したのか

そこでNさん夫婦がまず取り組んだのが、熱い空気をためないことでした。シャッターや窓を開けて風を通し、サーキュレーターで空気を動かして、こもった熱を外に逃がします。作業をするなら、朝や夕方の涼しい時間を選ぶようにしました。

より根本的な対策は、断熱です。ガレージと居室の間や、シャッター・壁の断熱性を高めると、熱の伝わりは大きくやわらぎます。ただ、これは家を建てたり、大きくリフォームしたりする段階の話。設計のときに「ガレージの断熱」まで考えておくことが、一番効きます。

換気と時間の工夫を続けると、こもった熱が減ったぶん、上の子ども部屋の暑さもいくらかやわらぎました。朝の涼しい時間なら、趣味の作業もできるようになったそうです。「ガレージの暑さは、家の中にもつながっているんですね」とNさんは振り返ります。

ビルトインガレージをつくるときは「熱」も考えて

ビルトインガレージは、車を守れて、趣味の場にもなる、便利で魅力的な空間です。一方で、シャッターで閉じるぶん、夏は熱がこもりやすく、その暑さが家の中にまで届くこともあります。取り入れるときは、見た目や便利さだけでなく、以下の点もあわせて考えておくと安心です。

・シャッターや窓、換気扇で、こもった熱い空気を外に逃がせるか
・サーキュレーターや扇風機で、空気を動かせるか
・ガレージと居室の間(とくに上の部屋の床)に、通常の部屋以上の手厚い断熱がされているか
・断熱性の高いシャッターを選べているか

大切なのは、あこがれのビルトインガレージが、夏は熱のこもりやすい空間になり、その暑さは家の中にも届きうると知っておくこと。換気と断熱を工夫すれば、ガレージも家も、夏を心地よく過ごせます。

参考:
省エネ住宅(資源エネルギー庁)
気密・断熱対策(三和シヤッター工業)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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