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「SNSで見た白いタイルテラスに憧れて」外構280万円かけた庭、30代夫婦が“夏だけ後悔”したこと【一級建築士は見た】

  • 2026.7.20
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「SNSで見た、白いタイルテラスのおしゃれな庭にあこがれて、日当たりのいい南側に庭をつくったんです。でも夏は、地面が熱くて日陰もなく、子どもを外で遊ばせられなくて…」

そう話すのは、大手ハウスメーカーで注文住宅(木造2階建て・4LDK・延床およそ38坪)を約4,500万円で建てたKさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。日当たりのいい南側に広めの庭を設け、外構に約280万円をかけて、白いタイルテラスのある庭に仕上げました。

子どもを遊ばせ、夏はプール、休日はBBQ――そんな暮らしを思い描いていたそうです。ところが夏を迎えると、庭は強い日差しに照りつけられて、ほとんど使えませんでした。

なぜ南側の庭は、夏に「灼熱」になるのか

南側の庭が夏に暑くなるのには、はっきりした理由があります。

南向きで日当たりがよく、軒や日よけのない開けた庭は、夏の強い日差しを一日じゅうまともに受けます。そして、地面の素材によって、暑さは大きく変わります。タイルやコンクリート、人工芝は日差しをためこみやすく、夏は素足で歩けないほど熱くなる一方、芝生や植栽のある地面は、それより涼しく保たれます。

日差しに熱せられた地面からは、照り返し(輻射熱)が立ちのぼり、体感の暑さを押し上げます。とくに子どもは、背が低く地面に近いぶん、その影響を強く受けます。環境省も、子どもは熱中症になりやすいとして、地面に近い高さの暑さに注意を呼びかけています。

映える庭ほど、夏の「日陰」が足りない

見落としがちなのが、見た目と夏の使い勝手の関係です。

SNSで見るおしゃれな庭は、芝生やタイルですっきりと整えられ、開放感のあるものが多くあります。ただ、その「開けた見た目」と引きかえに、夏の日差しを遮るものがほとんどないケースも少なくありません。

日陰のない庭は、夏には逃げ場のない場所になります。さらに、熱された地面の照り返しは、南向きの窓から家の中にも入り込み、リビングの暑さやまぶしさにつながることもあります。庭の暑さは、庭だけの問題では終わらないのです。

Kさん夫婦はどう対応したのか

そこでKさん夫婦が選んだのは、日陰をつくることでした。

取り入れたのは、シェードやタープです。数千円から手に入り、庭やテラスの上に張って日差しを遮ると、その下はぐっと過ごしやすくなります。環境省の資料でも、日なたが暑いのは気温だけの問題ではなく、日差しや地面からの照り返しが大きく影響しているためで、それを遮ることで体感の暑さはやわらぐとされています。

あわせて、熱くなりやすいタイルの上には、鉢植えやプランターの植物を並べ、暑い日は打ち水もするように。すべてを変えたわけではありませんが、日陰のできた一角なら、朝夕は子どもも遊べるようになったといいます。あこがれだったプール遊びは朝の日陰で、BBQは日の傾く夕方に、と楽しみ方も見えてきました。

「日なたばかりの庭が、いいわけではないと気づきました」とKさんは振り返ります。

南側に庭をつくるときは「夏の日陰」も考えて

日当たりのいい南側の庭は、明るく開放的で、暮らしを豊かにしてくれます。一方で、日差しを遮るものがないと、夏は地面が素足で歩けないほど熱くなり、子どもも遊びにくくなりがちです。庭を計画するときは、見た目だけでなく、以下の点もあわせて考えておくと安心です。

・夏の日差しを遮るシェードやタープなどを取り入れられるか
・地面に、熱がこもりにくい芝生や植栽のスペースをつくれるか
・タイルやコンクリートが、広い面積で日なたに敷かれていないか
・子どもが使うなら、日陰や、暑い時間帯への備えがあるか

大切なのは、SNSで見た「映える庭」が、夏には「日陰のない、照りつける庭」にもなりうると知っておくこと。日陰や地面のつくり方を工夫すれば、あこがれの庭は、夏も子どもと過ごせる場所になります。

参考:熱中症環境保健マニュアル 2022(環境省)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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