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「内装はきれいでも、窓は別」築38年の中古戸建てを2,500万円で買った30代夫婦が見落としていたこと【一級建築士は見た】

  • 2026.7.19
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「中古の戸建てを買って住み始めたんですが、夏、エアコンをつけても、窓のそばだけ暑いんです。よく見たら、窓が昔ながらのアルミサッシに1枚ガラスで…」

そう話すのは、郊外の住宅地にある築38年の中古戸建て(木造2階建て・4LDK・延床32坪)を約2,500万円で買ったJさんご夫婦(30代・子ども1人)です。内装はリフォーム済みできれいでしたが、窓は昔のまま。夏は窓ぎわが暑く、冷房の効きもいまひとつでした。

なぜ古い窓は、夏の暑さをまねきやすいのか

窓が夏の暑さに関わるのには、はっきりした理由があります。

まず、窓は家の中で、熱の出入りが一番大きい場所です。資源エネルギー庁によると、夏の冷房時に外から入ってくる熱の約7割は、窓などの開口部を通っています。屋根や壁より、窓のほうがずっと多くの熱を通すのです。

そして、古い住宅の窓は、アルミサッシに1枚ガラス(単板ガラス)のことが多くあります。国の調査でも、複層ガラス(ガラスを2枚以上重ねた窓)などの入っていない住まいが、今も6割ほどあります。アルミは熱を伝えやすい素材なので、夏は外の熱がサッシを伝って室内に入りやすく、窓ぎわが暑くなりやすいのです。

「内装はきれいでも、窓は別」という見落とし

見落としがちなのが、リフォームと窓の関係です。

窓の断熱基準が大きく引き上げられたのは1999年ごろで、それより前に建てられた住宅は、窓の性能が低いことが少なくありません。Jさんの家のように、中古を買って内装をリフォームしても、壁紙や床、水まわりは新しくなる一方で、窓はそのまま、ということがよくあります。

見た目は新しくても、窓だけは昔の性能のまま。窓は壁より熱が出入りしやすいという弱点があるため、ここが古いままだと、夏の暑さや、冬の結露が残りやすいのです。

Jさん夫婦はどう対応したのか

そこでJさん夫婦が選んだのは、内窓(二重窓)でした。今ある窓の内側に、もう一つ窓を取り付ける方法です。

窓と窓の間に空気の層ができ、断熱材のような働きをします。外の熱が伝わりにくくなって窓ぎわの暑さがやわらぎ、冬の結露も抑えられます。今のアルミサッシはそのままでも、樹脂製の内窓を足すことで断熱性が高まり、外窓を交換するより工事が手軽で、費用も抑えやすいのが利点です。開け閉めがひと手間増える点は、割り切りが要ります。

費用は窓の数や大きさによります。1か所あたり数万円から十数万円ほどで、Jさんはよく使う部屋を中心に数か所入れ、工事の総額はおよそ50万円でした。窓の断熱は国や自治体の補助制度の対象になりやすく、減税が使える場合も。Jさんも補助を使って、負担を抑えられたそうです。なお、ガラスを複層ガラスに替えたり、サッシごと交換したりする方法もあります。

「窓を替えるだけで、こんなに違うとは思いませんでした」とJさんは振り返ります。

古い家の窓と向き合うときは「断熱」も考えて

古い家には、味わいや手ごろさといった魅力があります。一方で、窓が昔のままだと、夏は暑く、冷房も効きにくくなりがちです。中古の購入やリフォームを考えるときは、内装だけでなく、以下の点もあわせて見ておくと安心です。

・窓が1枚ガラス+アルミサッシのままになっていないか
・夏に窓ぎわが暑い、冷房が効きにくい、という症状が出ていないか
・内窓・複層ガラス・サッシ交換など、窓の断熱を高める方法を検討したか
・窓の断熱改修に使える補助制度や減税がないか

大切なのは、内装のきれいな家でも、窓だけは昔の性能のままかもしれないと知っておくこと。窓の断熱に手を入れれば、古い家でも、夏の暑さや冬の結露は、ぐっとやわらげられます。

参考:
省エネ住宅(資源エネルギー庁)
窓の断熱(LIXIL)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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