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「エアコンに頼らず夏を乗り切る」を実践した40代夫婦→室温35℃でも冷房を我慢した戸建て住宅の誤算

  • 2026.8.6
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

ここ数年、SNSでは「暑さ対策」がたびたび話題になっています。遮光カーテンやサーキュレーター、冷感寝具を組み合わせ、「できるだけ電気代を抑えて夏を乗り切ろう」と考えたことがある方も多いのではないでしょうか。

もちろん、こうした工夫は室内環境を整えるうえで役立つ方法です。

しかし、猛暑日や酷暑日には、それだけでは室温の上昇を十分に抑えられず、室内でも熱中症になるおそれがあります。

今日は、SNSで紹介されていた暑さ対策を信じて冷房を我慢した結果、室内で体調を崩し、熱中症の危険を実感することになった40代ご夫婦のお話をご紹介します。

「これだけ対策すれば大丈夫」と思っていた夏の始まり

数年前、私が売買仲介を担当した40代のAさんご夫妻から、戸建てを購入されたあとに伺ったお話です。

夏休みが始まる頃、ご夫妻はSNSで話題になっていた「エアコンに頼らない住まいの暑さ対策」を次々と取り入れていました。

リビングには遮光カーテンを取り付け、2階にはサーキュレーターを設置。寝室のシーツや枕カバーも冷感素材へ買い替え、朝の涼しい時間帯には窓を開けて家中に風を通し、日差しが強くなる前にはカーテンを閉める。そんな生活を続けていたそうです。

「SNSでも効果があるって評判だったし、これだけ準備すれば、もしかしたらエアコンに頼らなくても過ごせるんじゃない?」

ご主人がそう話すと、奥様も「今年は電気代も抑えられそうね」と笑顔でうなずいたそうです。

電気代が高騰するなか「できるだけ冷房を使わずに夏を乗り切りたい」という思いもあり、ご夫妻はサーキュレーターだけで過ごす時間を少しずつ増やしていきました。

午後には2階が35℃近くに…。それでも冷房を使わなかった

ところが、本格的な夏を迎えると、その考えは大きく揺らぎます。

猛暑日の午後、2階へ上がったご主人は、思わず足を止めました。窓を開けても入ってくるのは涼しい風ではなく、ムッとした熱気。サーキュレーターを回していても、生ぬるい空気が部屋の中を巡るだけだったそうです。

屋根から伝わる熱の影響もあり、2階の室温は時間とともに上昇。壁に掛けた温度計へ目をやると、表示は35℃近くになっていました。

それでもご夫妻は自分たちに言い聞かせるように、冷房のスイッチには手を伸ばしませんでした。(猛暑日に冷房を使わず我慢し続けることは、室内であっても熱中症のリスクが高まるため大変危険です)

「サーキュレーターを回しているから大丈夫だよ…」「もう少し我慢すれば夕方になって涼しくなるはず…」

しかし、夕方になっても暑さはほとんど変わりません。キッチンで夕食の支度をしていた奥様が突然動きを止め、「なんだか頭が痛い…」と椅子へ座り込みました。

顔色は青白く、額には汗がにじみ、続けて「体に力が入らない…」と、かすれた声でつぶやいたそうです。

異変に気づいたご主人は慌ててエアコンの電源を入れ、スポーツドリンクを飲ませて体を休ませました。幸い症状は徐々に落ち着き、大事には至りませんでした。

暑さ対策は「冷房との併用」が大切

この出来事のあと、ご夫妻は暑さ対策の考え方を大きく見直しました。

リビングには温湿度計を置き、室温が上がり始める前にエアコンをつけるように変更。朝はこれまでどおり窓を開けて空気を入れ替え、日中は遮光カーテンで日差しを遮りながら、サーキュレーターで部屋中の冷たい空気を循環させるようになったそうです。

「電気代を節約したい気持ちは今も変わりません。でも、あの日、妻が座り込む姿を見て考え方が変わりました。体調を崩してしまったら、節約どころではありませんでした」

そう振り返るご主人の表情が、とても印象に残っています。

実際、遮光カーテンは日射熱を抑え、サーキュレーターは冷房の空気を循環させることで冷房効率を高める効果が期待できます。

一方で、これらだけで室温そのものを十分に下げられるとは限りません。住まいの暑さは、断熱性能や窓の向き、屋根から伝わる熱、熱がこもりやすい2階など、住宅ごとの条件によって大きく変わります。

だからこそ、暑さ対策は「エアコンを使わないこと」を目標にするのではなく、遮光や空気循環と冷房を組み合わせ、住まいの環境に合わせて取り入れることが大切です。

暑さ対策は「体調」を最優先に考えたい

夏は帰省や旅行、水遊びなど、家族で外出する機会が増える季節です。一方で、自宅で過ごす時間にも熱中症のリスクがあることは忘れてはいけません。

厚生労働省では、室内でも熱中症は発生するとして、暑さを我慢せずエアコンを適切に使用することや、室温や湿度を確認しながら、こまめに水分・塩分を補給することなどを呼びかけています。

節電を意識することは大切ですが、猛暑日に冷房を我慢し続けることは室内であっても熱中症につながるおそれがあります。

暑さ対策は「エアコンを使わないこと」ではなく、安全に夏を過ごすことが目的です。無理な我慢をせず、体調を最優先にしながら、自分や家族に合った暑さ対策を取り入れていきたいものです。

参考:熱中症予防のために(厚生労働省)



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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