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「帰りにランチでも」片道1時間かけて内見した40代夫婦、内見後に口数が消えた“予想外の現実”

  • 2026.8.5
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

夏休みやお盆の帰省に合わせて、気になる物件の内見を予定している方も多いのではないでしょうか。ポータルサイトに掲載された室内写真を見て「このまま住めそう」「リフォームはいらなそう」と感じて内見を申し込むケースも珍しくありません。

しかし実際には、掲載写真と現地の印象が大きく異なり、想定外の出費につながることもあります。

今日は、室内写真を見て「リフォームはほとんど必要なさそう」と期待し、片道約1時間かけて内見へ向かった40代ご夫婦のお話をご紹介します。現地で待っていたのは、写真からは想像できなかった現実でした。

「このまま住めそう」と期待して片道1時間の内見へ

これは、数年前に私の知人である40代のAさんご夫婦から聞いた話です。

夏休みを利用して新居探しを進めていたAさんご夫婦は、ある日ポータルサイトで築年数の割に室内が驚くほどきれいな中古マンションを見つけました。

画面には、白い壁紙が明るく映え、フローリングには目立つ傷も見当たりません。キッチンや浴室も新しく見え、写真を何枚も見返しながら夫婦で期待を膨らませていたそうです。

「きれいな物件だね」「これなら、ほとんどリフォームしなくても住めそうだね」

内見当日の朝は、お菓子や冷たい飲み物を車へ積み込み、ちょっとしたドライブ気分で現地へ向かいました。片道約1時間の車内では、

「帰りに近くでランチでもしようか」「いい物件だったら決めちゃおう」

そんな会話を交わしながら車を走らせる時間も、Aさんご夫婦にとっては新生活を思い描く楽しいひとときでした。だからこそ、このあと待っていた現実は、想像以上に大きな衝撃だったそうです。

現地で見たのは掲載写真とはまるで別の部屋のような光景

内見当日、Aさんご夫婦は担当者とともにマンションの一室へ向かいました。玄関の鍵が開き、室内へ一歩足を踏み入れた瞬間、2人は思わず足を止めたそうです。

「すみません…他の物件と間違えていました」

Aさんは、担当者へ思わずそう声を掛けました。それほど、ポータルサイトで見た写真と室内の印象は大きく異なっていたのです。しかし担当者から返ってきたのは、予想外の一言でした。

「いえ…この部屋で間違いありません」

室内を見渡すと、掲載写真では明るく清潔感のあった壁紙には黒ずみやヤニ汚れが目立ち、フローリングには深い傷がいくつも残っています。洗面台や浴室などの水回りにも使用感があり、建具(室内ドアや収納扉など)にも傷みが見受けられました。

「写真とかなり印象が違いますよね」

気になったAさんが尋ねると、担当者は少し申し訳なさそうな表情で説明したそうです。

「実は掲載写真は数年前に撮影したものなんです…」

帰宅後、ご夫婦は念のため住宅会社へリフォーム費用の見積もりを依頼しました。

すると、壁紙の全面張り替えや床材の交換に加え、キッチン、浴室、洗面台の交換、建具の補修・交換などが必要と判断され、見積額は1,000万円近くになることが分かりました。

「ほとんどリフォームしなくても住めそう」

そう考えていた資金計画は大きく狂い、ご夫婦は購入を断念することになります。

行きの車内では「帰りにランチでも食べようか」と新生活の話で盛り上がっていたそうですが、帰り道は重たい空気が流れ、会話はほとんどありませんでした。

しばらくしてAさんは、フロントガラスの向こうを見つめながら、こうつぶやいたそうです。

「事前に写真の撮影時期を確認しておけばよかった…」

掲載写真が古い場合は思わぬギャップが生じることも

中古マンションでは、掲載写真の撮影時期や撮影方法によって、実際に内見した際の印象と異なるケースがあります。

もちろん、掲載後も室内の状態がほとんど変わっていない物件も少なくありません。一方で、写真の撮影から年月が経過している場合は、その間の使用状況によって壁紙や床、水回りなどが劣化していることもあります。

また、広角レンズや照明、撮影アングルなどの影響で、実際より部屋が広く、明るく見える場合もあります。

なお、不動産広告は不動産の表示に関する公正競争規約の対象です。実際より著しく優良であると誤認させる表示は、「不当表示」として問題となる可能性があります。

中古マンションを検討する際は、掲載写真だけで判断するのではなく、「写真はいつ撮影されたものか」「現在の室内状況と違いはないか」を不動産会社へ確認すると安心です。あわせて、過去のリフォーム履歴や現況も確認しておくことで、内見後や購入後のギャップを防ぎやすくなるでしょう。

写真は物件選びのきっかけにはなりますが、購入の決め手にしてはいけません。実際に現地で確認し、必要な修繕費まで含めて判断することが後悔しない住まい選びにつながります。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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