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SNSで話題の『節電グッズ』を信じた30代夫婦、猛暑の中“エアコン設定24℃”でも部屋が冷えなくなった悲劇のワケ

  • 2026.7.26
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

近年では電気代の高騰が続き、少しでも光熱費を抑えたいと考えるご家庭が増えています。その影響もあり、SNSでは「これを付けるだけで節電」「電気代が下がる」といった住まいのアイデアが数多く話題になっています。

なかでも最近よく見かけるのが、エアコンの室外機カバーです。見た目がおしゃれになるうえ、直射日光を遮ることで節電効果が期待できるとして、取り付ける方も少なくありません。

しかし、取り付け方や製品によっては、かえってエアコンの効きが悪くなり、余計な電気代や点検費用が発生してしまうケースもあります。

今日は、SNSで話題になっていた室外機カバーを取り付けたことで、真夏にエアコンが効かなくなってしまったご家族のお話をご紹介します。

SNSで話題の「節電アイテム」を信じて購入

築5年ほどの戸建て住宅で暮らす30代のAさんご夫婦は、その年の初夏、SNSで次のような投稿を何度も目にしたそうです。

「室外機カバーを付けるだけで節電できる」
「電気代が下がった」
「見た目もおしゃれで一石二鳥」

電気代の高騰もあり「少しでも夏の電気代を抑えられるなら試してみよう」と考えたAさんは、木製ルーバーで室外機全体を囲うデザインカバーを購入しました。

設置した当初は特に異常もなく、夫婦で期待を膨らませていたそうです。

絶体絶命!真夏になって突然エアコンが効かない…

ところが、本格的な猛暑を迎えたある日、Aさん宅で思わぬ異変が起こります。朝から気温は35℃近くまで上がり、リビングではエアコンを24℃に設定しているにもかかわらず、部屋はなかなか涼しくなりません。

「前はすぐに冷えたのに、最近はずっと生ぬるい感じだな…」

額に汗を浮かべた小さなお子さんは扇風機の前から離れようとせず、室内にはどこか熱気が残ったままでした。

「今日は特別暑いからかな?」

そう思って数日様子を見ましたが改善せず、設定温度を下げてもフィルターを掃除しても状況は変わりません。このままでは熱中症も心配だと感じたAさんは、エアコン修理業者へ点検を依頼することにしました。

原因は「室外機カバー」

数日後に修理業者が訪れ、室内機や配管を一つひとつ確認していきました。

「エアコン自体に異常はなさそうですね。一度、室外機を見てみます」

そう言って庭へ出た業者は、木製の室外機カバーを見るなり足を止めました。

「なるほど。このカバーが原因かもしれません…」

調べてみると、エアコン本体に故障はありませんでした。問題は、隙間のあるルーバーであっても室外機の周囲が木製カバーで囲われていたことで、排熱した熱い空気がうまく逃げられなくなっていたことです。

室外機は、室内の熱を屋外へ放出することで冷房運転を行っています。

しかし、周囲の風通しが悪くなると、吐き出した熱風を再び吸い込みやすくなり、冷房効率が低下してしまいます。

ダイキン工業株式会社も、吹出口を物やカバーで覆うと放熱を妨げ、冷房効率が低下して余分な電力を消費するため、冷房時は室外機用カバーをなるべく外すよう案内しています。

その場でカバーを取り外して運転を再開すると、それまでぬるく感じていた風が次第に冷たさを取り戻し、しばらくすると室内にも涼しい空気が広がっていきました。

「本当にカバーが原因だったんですね…」

Aさん夫婦は顔を見合わせて驚いたそうです。幸いエアコン自体に故障はありませんでしたが、出張点検費や点検作業費は発生しました。

「節電のつもりだったのに、余計なお金を使ってしまいました」

Aさんはそう振り返っていました。

室外機カバーは「風通し」が何より重要

室外機カバー自体が悪いわけではありません。メーカーの設置基準を満たし、吸込口や吹出口をふさがない構造の日よけなどを適切に使用しているご家庭も数多くあります。

一方で、室外機は周囲の空気を取り込みながら室内の熱を屋外へ放出することで、本来の冷房性能を発揮します。そのため、周囲を囲うタイプのカバーや、吹出口・吸込口をふさいでしまう設置方法では、排熱が妨げられ、冷房効率の低下や消費電力の増加につながる可能性があります。

SNSで話題の節電グッズを取り入れる際は、口コミだけを参考にするのではなく、メーカーの取扱説明書や公式サイトで推奨されている使用方法や設置条件を確認することが大切です。

節電を目的に取り付けたものが、かえってエアコンへ負担をかけ、余計な電気代や点検費用につながるケースもあります。住まいの設備は、「人気だから」「みんなが使っているから」ではなく、正しい使い方を理解したうえで取り入れることが、快適な夏を過ごすためのポイントといえるでしょう。

参考:お部屋の外の室外機もチェックしよう|室外機のふき出し口が物でふさがっていないかな?(ダイキン工業株式会社)



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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