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「えっ…」窓を開けた瞬間に思わず硬直…30代夫婦が“内見20分で決めた角部屋マンション”購入後に直面した誤算

  • 2026.7.26
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

マンションの角部屋と聞くと、「隣と接する面が少なく、プライバシーが確保しやすい」「開放感がある」といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

実際、角部屋は人気が高いため、周辺相場より安く販売されていると「条件の良い物件が見つかった」と感じることも少なくありません。

しかし、角部屋だからといって必ずしも視線が気にならないとは限りません。建物の配置によっては、想像以上に隣住戸との距離が近く、暮らし始めてから後悔するケースもあります。

今日は、周辺相場より少し安い角部屋マンションを購入した30代夫婦が、入居後に初めて気づいた建物の構造によって、思わぬ生活のしづらさを感じることになった実際のエピソードをご紹介します。

「角部屋なら安心」という思い込みで購入した30代夫婦

今から15年ほど前、私が不動産業とは別の仕事をしていた頃に、友人のAさんから聞いた話です。30代のAさんご夫婦は、結婚を機にマイホームを探していました。

ある日、内見したのは南向きの角部屋マンション。リビングには明るい日差しが差し込み、窓からの眺めも良く、室内はきれいな状態でした。

内見当日は午後から別の予定も入っており、滞在時間は20〜30分ほど。夫婦はリビングや洋室を回りながら「収納は十分あるね」「キッチンも使いやすそう」と話し、設備や日当たり、水回りの状態などを次々と確認していきます。

窓越しに見える景色も開放的だったことから「角部屋なら隣の視線も気にならないだろう」と感じ、窓を大きく開けたり、ベランダへ出て隣住戸との位置関係まで確認したりすることはありませんでした。

しかし実は、このマンションはL字型の建物でした。

室内から眺めるだけでは分かりませんでしたが、ベランダへ一歩出ると、建物の角を挟んで隣住戸のベランダが90度の角度で向かい合う配置だったのです。

窓を開けた瞬間「こんにちは」

引越し当日。風通しを良くしようと、Aさんはリビングの掃き出し窓を大きく開け、ベランダへ出ました。その瞬間、思わず動きが止まります。

「えっ…」

ちょうど隣人が、ベランダで洗濯物を干している最中でした。タオルを干そうと顔を上げた隣人と、窓を開けたAさんの目が合います。

「あっ…すみません。こんにちは…」

互いに軽く会釈を交わしましたが、どちらも気まずそうに視線をそらし、慌てて室内へ戻っていきました。

それ以来、窓を開けるたびに「今日は隣の人はいないだろうか」と気にするようになり、洗濯物を干すタイミングまで自然とずらす生活になってしまいます。

ベランダ同士の距離は思っていた以上に近く、窓を開けると隣のベランダだけでなくリビングの様子まで見えてしまうこともありました。もちろん、相手側からもAさん宅の室内が見える状態です。

「角部屋ならプライバシーは安心だと思っていたのに…」

Aさんは、入居して初めて、その思い込みに気付くことになったそうです。

レースカーテンを閉めたままの生活に

その出来事以来、Aさん夫婦は窓を大きく開けることをためらうようになりました。

天気の良い日でも、レースカーテンは閉めたまま。風を取り込みたいと思っても、隣のベランダに人影が見えると、そっと窓を閉め直すことも少なくありませんでした。

洗濯物を干すときも、「今なら隣は出ていないかな」とベランダの様子をうかがってから外へ出るのが習慣になります。しかし、タイミングが重なると、お互いに気まずそうに会釈をして、すぐに部屋へ戻ることもあったそうです。

何とか改善できないかと、ラティス(格子状の目隠しフェンス)の設置も検討しました。しかし、このマンションのバルコニーは共用部分の“専用使用部分”とされており、管理規約や使用細則によって設置できるものに制限があったのです。

結局、思い描いていた「開放感のある角部屋での暮らし」とは異なり、窓を開けるたびに周囲を気にする毎日になってしまいました。

角部屋でも窓の外まで確認することが大切

角部屋は採光や通風に優れ、プライバシーを確保しやすい住戸が多いのも事実です。

一方で、L字型やコの字型など建物の配置によっては、隣住戸のベランダや窓が近い位置で向かい合い、想像以上に視線が気になるケースもあります。

中古マンションを購入する際は、室内の設備や価格だけで判断するのではなく、実際に窓を開けてベランダへ出てみることも大切です。隣住戸との位置関係や視線の届き方、洗濯物を干したときの見え方まで確認しておくと、入居後のギャップを減らしやすくなるでしょう。

また、周辺相場より価格が安い物件には、価格に反映される何らかの理由がある場合もあります。

間取りや日当たりだけでは分からないことは、実際に生活する場面を思い浮かべて初めて見えてくることも少なくありません。「角部屋だから安心」という思い込みが、毎日の小さなストレスにつながることもあるのです。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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