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「駐車1台可能」の物件を選んだ50代夫婦、毎朝の入庫に数分…最終的に約80万円を追加で払うことに

  • 2026.7.19
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

住宅を購入する際、間取りや日当たり、価格にはしっかり目を向けても「自分の車が毎日ストレスなく駐車できるか」まで気にかける方は意外と多くありません。

特に、大型SUVやミニバンを所有するご家庭では「図面上では駐車できるから問題ないだろう」と考えた結果、住み始めてから駐車のしづらさに悩まされるケースも少なくありません。

今日は、駐車できると思って家を購入したものの、実際には毎回何度も切り返しが必要となり、最終的に大幅な外構工事を行うことになった50代ご夫婦のエピソードをご紹介します。

「駐車できる」と判断

これは私が会社員時代に、不動産会社で売買仲介をしていた頃に担当したお客様のお話です。中古戸建ての購入を検討されていたのは、50代のAさんご夫婦でした。

築年数はそれほど古くなく、立地や価格も希望どおりでしたが、一つだけ気になったのが前面道路の幅です。現地をご案内すると、ご主人は道路を見渡しながらあまり気にする様子はありませんでした。

「まあ、このくらいなら私の車は何とか入るでしょう」

図面上でも駐車スペースは確保されており、販売資料にも「駐車1台可能」と記載されていました。そのため、ご夫婦は実際に愛車で駐車を試すことなく購入を決断。

当時所有されていたのは大型SUVです。

「できれば一度、実際の車で入庫を試してみませんか?」

私はAさんにお声がけしましたが、ご主人は運転に自信があり、笑顔で答えられたのを今でも覚えています。

「その必要はないですよ。毎日運転しているから大丈夫」

毎日の駐車に数分かかる生活…

ところが、引き渡し後に初めて車を入庫した際、ご夫婦は予想外の現実に直面します。道路幅と敷地への進入角度の影響で、一度ではまったく駐車できなかったのです。

前進してはバック。もう一度前進して切り返す。ようやく車を収められた頃には、数分が過ぎていました。朝夕は対向車や歩行者が通り過ぎるのを待たなければならず、駐車だけでさらに時間がかかる日も少なくありませんでした。

運転歴の長いご主人ですら苦労する状況だったため、奥様は「怖くて私には運転できない…」と言って、自宅では車を使わなくなってしまいました。

せっかく利便性を考えて購入したマイホームが、毎日の駐車がストレスになる住まいへと変わってしまったのです。

約80万円の隅切り工事をすることに

その後、ご夫婦は外構業者へ相談しました。提案されたのは、「隅切り工事(敷地の角を斜めに削り、車が曲がりやすくする工事)」です。隅切りを行えば駐車しやすくなるものの、それだけでは済みませんでした。

門柱の移設に加え、フェンスのやり直しや土間コンクリートの一部撤去・打ち直しも必要になったのです。見積金額は約80万円。

「最初に一度、駐車を試していれば…」

ご主人はそう肩を落としていました。結局、ご夫婦は工事を決断し、ようやく安心して駐車できる環境を手に入れました。しかし、本来であれば必要のなかった約80万円もの出費となってしまったのです。

図面だけでは駐車のしやすさまでは分からない

住宅選びでは、「駐車できる」と「駐車しやすい」は必ずしも同じではありません。

実際に、図面上では「駐車可能」とされていても、道路幅や接道状況、敷地への進入角度、車種によっては何度も切り返しが必要になる場合があります。

特に大型SUVやミニバンを所有している方や、将来的に買い替えを予定している方は、契約前に実際の車、もしくは同サイズの車で駐車のしやすさを試しておくことが大切です。

また、前面道路が狭い物件では、隅切りの有無だけでなく、門柱やフェンスの位置、駐車時の動線まで確認しておくことで、住み始めてから高額な外構工事が必要になるリスクを軽減できます。

毎日車を使うご家庭ほど、間取りや立地だけでなく「毎日ストレスなく駐車できるか」という視点まで含めて住まいを選ぶことが、後悔しない住宅購入につながるでしょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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