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「眺望の良さに惹かれて」数百万円高い上層階を買った40代Aさん、“SNSに溢れる噂”で気になってしまったこと

  • 2026.7.18
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。近年、SNSなどではタワーマンションの購入に関するさまざまな噂が飛び交っています。

なかでも「高層階の価格上乗せ分は元が取れない」という意見はよく見かけます。今回は、実際に高層階プレミアムを支払って購入したAさん(40代)の疑問を入り口に、購入時の価格差や売却時の相場、税金の仕組みを整理して、噂の真偽をフラットに検証します。

高層階と下層階で生じる購入時の価格差と売却時の現実

眺望の良さに惹かれてタワーマンションの上層階を購入したAさんは、最近SNSで「高層階プレミアムは元が取れない」「眺望に大金を払うのは無駄」といった書き込みが気になっていました。Aさん自身、同じ間取りの低層階の住戸より数百万円高い価格で購入していたからです。

タワーマンションは同じ間取りや広さでも高層階ほど価格が高く、Aさんの物件のような数百万円の差は、眺望や希少性がプレミアムとして上乗せされた結果です。

そして売却時に、この価格差がどれだけ残るかは、物件の条件や市況によって分かれるのが実情です。例えば、マンションの目の前に高い建物が建ってしまえば、眺望の価値がなくなってしまいます。

固定資産税と相続税評価におけるタワーマンションの税制

所有時や相続時に発生する、固定資産税や相続税についても見てみましょう。Aさんも「高層階は税金でも損をする」という書き込みを見て気にしていましたが、全ての物件で高層階の固定資産税が高くなるわけではありません。

高さが60mを超えるタワーマンション(居住用超高層建築物)は、2017年度の税制改正で課税ルールが変更されました。建物全体の税額は変わりませんが、高層階ほど固定資産税が高く、低層階ほど低くなるように配分されます。

税額の補正は、2018年度から新たに課税される新築マンションが対象です。2017年4月1日より前に最初の売買契約が締結された住戸を含む建物や、それ以前から存在する中古マンションは対象外となります。

続いて相続税の評価です。2024年1月1日以降に相続や贈与で取得した分譲マンションには、評価額の新しい補正ルールが適用されました。

新しい算出方法では、築年数が浅く建物の総階数が多く、所在階が上であるほど評価額が上がる仕組みです。評価額の上昇により、高層階は相続税の面で以前よりも有利とは言いにくいのが現状です。

数字の条件と個人の価値観を天秤にかけて判断する

購入や売却、税金の条件を整理すると、高層階プレミアムは元が取れないと一律に言い切ることはできません。売却でいくら戻るかは物件や市況次第であり、固定資産税は契約時期、相続税評価は近年の見直しといった条件で変わるためです。

また、眺望や日当たりの良さ、そこで暮らす満足感は、まさに高層階プレミアムとして価格に織り込まれている価値です。在宅時間が長く景色を楽しめる人と、日中ほとんど家にいない人とでは、同じ上乗せ分から受け取れる価値が変わります。

毎日の眺望を楽しめているAさんは、自分は見合う価値を受け取れていると考え、SNSの声に振り回されるのをやめました。最終的には、購入時の価格差や将来見込める相場、税金の条件と、眺望などの魅力を自分がどれだけ重視するかを併せて、総合的に判断してみてください。

参考:
「居住用の区分所有財産」の評価が変わりました(国税庁)
平成29年度地方税制改正(案)について(総務省)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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