1. トップ
  2. ヘルスケア
  3. 「その不調、実は水分不足?」更年期に見落としがちな脱水リスクと、体を変える“水飲みルーティン”

「その不調、実は水分不足?」更年期に見落としがちな脱水リスクと、体を変える“水飲みルーティン”

  • 2026.6.26

私たちが健康を維持するために、水分補給がどれほど重要かは言うまでもない。特に気温が上がる季節や熱中症が心配な時期には、こまめな水分摂取が欠かせないはず。認知機能の維持から肌のコンディションを整えることまで、定期的に水を飲むことは健康的な毎日の大前提だと言える。しかし、更年期を迎えると、この当たり前の習慣がさらに重要度を増すことを知っているだろうか? 皮肉なことに、更年期は最も水分を必要とする時期であるにもかかわらず、体内のメカニズムの変化によって水分補給が一段と難しくなってしまう傾向がある。

更年期の不調、実は「水分不足」が原因かも?

登録栄養士であり『Food For Menopause』の著者でもあるリニア・パテル博士は、この事実をより多くの人に知ってほしいと発信している。博士によると、私たちが「更年期特有のうっとうしい症状」だと思い込んでいるものの多くは、実は単なる水分不足のサインであるか、あるいは脱水によって症状が悪化している可能性があるという。「エネルギーが出ない、夕方の疲労感、頭痛、気分の浮き沈み、ブレインフォグ(脳の霧)、繰り返す尿路感染症、肌の乾燥……。これらに見覚えはないだろうか? これらはすべて更年期によく見られる症状だが、実は体が水分を求めている代表的なサインでもある」とパテル博士は指摘する。

なぜ更年期以降は水分補給が最重要になるの?

「健康を考えるとき、水は軽視されがちだが、実際には体内のほぼすべてのプロセスで役割を果たしている」とパテル博士は解説する。海外のデータによると、人間の体の約60%、長きにわたり活動を続ける脳の約75%は水でできている。水分は栄養素を運び、エネルギー産生をサポートし、心臓を効率よく動かし、脳の伝達をスムーズにする。さらに関節を滑らかにし、消化を助け、満腹感や空腹感のコントロールにまで影響を与えている。厄介なのは、喉の渇きを感じ始めるレベルの「軽い脱水」であっても、これらの機能が低下してしまうこと。その結果、だるさやイライラ、頭痛を引き起こし、「更年期のせい」と片付けられがちになる。

脳のバグ?更年期に喉が渇きにくくなる理由

水分が最も必要な時期に、なぜ体は裏切るような動きをするのだろうか。パテル博士が更年期の女性たちを診る中で、多くの人が「飲むのを忘れてしまう」「トイレが近くなるのが嫌」「ただの水を飲むのが苦手」と話すという。しかし、それ以上に更年期への移行期には、生理学的な2つの大きな理由から水分補給が本当に難しくなる。1つ目の理由は、脳の「渇き」のシグナルが狂ってしまうこと。女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下すると、脳が渇きを調節する方法が変わる。エストロゲンが減ることで喉の渇きへの感度が鈍くなり、脱水していても渇きを感じにくくなってしまうのだ。

トイレの悩みが引き起こす「脱水の悪循環」

2つ目の理由は、膀胱と尿道の変化だ。パテル博士によると、エストロゲンの低下は尿路系にも影響を及ぼすという。膀胱や尿道の組織が薄くなり、弾力性が失われるため、急に強い尿意を感じたり、頻尿になったり、咳や運動の拍子に尿漏れを起こしやすくなる。その結果、多くの女性が「飲む量を減らす」という対策を取ってしまう。その気持ちは十分に理解できるが、これは脱水をさらに悪化させ、結果として尿路感染症(UTI)のリスクを高めるという最悪の悪循環を生み出すことになってしまう。では、この状況を打破するために、私たちは何をすべきだろうか?

Volanthevist

【ステップ1】尿の色をこまめにチェックしよう

パテル博士が提案する、更年期を快適に過ごすための「4ステップの水分補給ルーティン」を実践してみよう。まずは「尿の色のチェック」だ。「水分補給の状態を把握する最も簡単な方法の1つは、尿の色を見ること。朝一番のトイレを除いて、十分に水分が足りていれば、一般的には薄い麦わら色(淡黄色)になるはず。便器の水を大きく変色させないくらいの薄さが理想的だ。もし常にこれより濃い色をしているなら、それは水分が足りていない証拠。ただし、ビタミンB群のサプリメントを飲んでいる場合は、水分が足りていてもう鮮やかな黄色になることがあるので例外として覚えておこう」

【ステップ2】水分は「午前中〜夕方前」に集中させる

次に意識したいのは、「早めの時間帯に水分を摂る」ということ。水分補給は1日を通して重要だが、特にエネルギーや集中力、生産性が必要な時間帯にしっかり飲むことが大切。「一日に必要な水分の大部分は日中の早い時間に飲み、夕方18時頃までにはある程度、体が満たされている状態を目指してみよう。夜に飲む水分は、脱水を補うためではなく、あくまでリラックスタイムに飲みたいから飲む、というスタンスが理想的。このアプローチをとることで、夜中に何度もトイレに起きて睡眠を妨げられる不快な経験を減らせるはず。睡眠の質を守ることは更年期において非常に重要だ」

【ステップ3】一気飲みはNG!こまめな「ちょこちょこ飲み」

3つ目のステップは、「後からまとめて飲むのではなく、こまめに少しずつ飲む」こと。「1日あたり約1.5〜2リットルの水分を摂取することを目指そう。もちろん暑い日や運動するとき、汗を多くかいたときはそれ以上に増やす必要がある。おすすめは、お気に入りのマイボトルを持ち歩き、それが何ミリリットル入るか把握しておくこと。これなら、今日何杯飲んだかをいちいち覚えているよりも、はるかに簡単に摂取量を管理できる。また、『コーヒーを飲むときは必ず一緒に一杯のお水も飲む』といったように、既存の習慣とセットにする工夫も効果的だ」

【ステップ4】お水をおしゃれに、美味しくアレンジ

最後のステップは、「水を魅力的な飲み物に変える」こと。正直なところ、ただの真水を毎日大量に飲むのは飽きてしまうこともある。「プレーンな水に飽きてしまったら、レモンやキュウリのスライス、新鮮なミントを加えてデトックスウォーター風にアレンジしてみよう。炭酸水を取り入れて変化をつけるのもおすすめ。また、日中にノンカフェインのハーブティーを楽しんだり、冷やした緑茶を飲むのも驚くほどリフレッシュになる。さらに、常温の水よりも少し冷やした水の方が口当たりがよく、飲みやすく感じることが多いはず。大切なのは、水分補給を毎日楽しく続けられる簡単な習慣にすることだ」

専門家の紹介:登録栄養士のリニア・パテル博士

専門家の紹介:リニア・パテル(Dr Linia Patel PhD, RD, MBDA)数々の受賞歴を持つウィメンズヘルス分野の登録栄養士であり、パフォーマンス栄養士、公衆衛生研究者。最新著書に『Food For Menopause』および『Life After Weight Loss Medication』がある。更年期世代の女性の栄養と健康をサポートするため、科学的根拠に基づいた実践的な食事指導を行っている。SNS(@liniapatelnutrition)でも積極的に情報を発信中。

※この記事はイギリス版『Good Housekeeping』の翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる