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「骨がスカスカに…」専門家が警告。10代がSNSの過激ダイエットを真似してはいけない本当の理由

  • 2026.6.19
Ming Tung Tang

大人向けの一極集中型ダイエットやプロテインブーム、極端なオイルカットのトレンドが今、SNSを通じて中高生に飛び火している。しかし、成長期の体に大人の制限食をそのまま当てはめるのは「最悪のタイミング」だと専門家は強い警鐘を鳴らす。下手をすれば一生モノの骨がスカスカになり、月経が止まるなど、将来にわたって取り返しのつかない大ダメージを負う危険性があるのだ。

SNSにあふれる「根拠なきトレンド」の罠

「1日に食べたもの(What I eat in a day)」動画、カロリー計算、デトックスの流行――。科学的根拠が乏しいバイラルトレンドがSNSにはあふれている。若者にとって、正しい情報を見極めるのは簡単ではない。

英国の登録管理栄養士であり、イギリスで人気の健康志向ミールキット宅配サービス「Mindful Chef(マインドフル・シェフ)」のヘルス部門責任者を務めるサシャ・ワトキンズ氏は、こう指摘する。

「SNSはティーンが食や健康について学ぶ主要な手段の一つになっている。しかし残念ながら、そこでは『健康的な食事』の極端に偏ったイメージや、歪んだ、時には危険な栄養アドバイスが発信されていることが多い。最近の例では、シードオイル(植物油)への過度な恐怖心の煽りや、生乳が殺菌乳より健康的だという主張、プロテインや食物繊維などの特定の栄養素を過剰に摂取することを勧めるトレンドなどが挙げられる」

こうした視覚的に洗練された「憧れ」を抱かせるコンテンツが優遇されるプラットフォームの特性によって、若者たちは自分の食習慣や体型、ライフスタイルを非現実的な基準と比較してしまう。

一生モノの体がボロボロに…成長期への致命的ダメージ

問題は、科学的根拠に基づいたアドバイスよりも、誤った情報のほうがネット上で拡散されやすいため、ティーンが嘘と真実を見分けるのは非常に困難になっている点だ。大人のインフルエンサーが大人向けに作った制限の多い食事法を、この大事な時期の10代が真似をするのは最悪のタイミングだと言わざるを得ない。

「思春期は、人間の生涯の中で乳児期に次いで栄養需要が高まる時期だ」とワトキンズ氏は警鐘を鳴らす。

ティーンの体内では、一生モノの骨密度を形成するためにカルシウムやビタミンDが不可欠であり、筋肉が作られ、特に月経のあるティーンは鉄分の必要量も大幅に高まる。「1日に食べたもの」動画の多くは、成長期の体に多くのエネルギーが必要な事実を完全に無視している。

食品グループを排除したり、カロリーを過度に削ったりする食事制限がこの時期に定着してしまうと、精神的な影響だけでなく、成長や骨の健康、月経、集中力、エネルギーに、後から取り返しのつかないダメージを与える可能性がある。だからこそ、この年齢層をターゲットにした制限系コンテンツには強い危機感を抱いているのだ。

こうして、食事が「栄養や楽しむためのもの」ではなく、「外見をコントロールするためのもの」というフィルターを通して見られるようになり、食事への不安や自分の体への不満、食品を「良いもの」「悪いもの」と極端に分類する傾向につながっていく。

海外では「16歳未満のSNS禁止案」が浮上する事態に

この事態の深刻さを受け、海外では大きな動きが出始めている。イギリス政府は、早ければ来春(2027年春)から16歳未満の子供によるSNS利用を禁止する方針を発表した。キア・スターマー首相によれば、この措置はオンライン上の安全性を高め、「子供たちに子供時代を取り戻す」ためのものだという。

メンタルヘルスだけでなく、過激なダイエットトレンドや「食の誤情報」からティーンを守る効果も期待されている。なぜなら、アルゴリズムはユーザーが一度関心を示したコンテンツを繰り返し表示する傾向があるため、ダイエットや減量、外見重視のメッセージばかりが流れる「エコーチェンバー(共鳴部屋)」を作り出してしまうからだ。

過激なダイエットが標準化され、体型の比較が日常茶飯事になってしまう呪縛から子供たちを救うため、こうしたコンテンツへの接触を減らすことには大きなメリットがある。

周囲の大人や親ができる「3つのアプローチ」

健康とは体重や外見だけのものではないと気づくきっかけを作り、より多様でリアルな視点を持つスペースを生み出すために、周囲の大人や親は今何ができるのだろうか。

ワトキンズ氏は、若者たちがネット上の健康情報の信憑性を疑い、インフルエンサーだけでなく資格を持った栄養の専門家をフォローすることを周囲が促すべきだと提案する。具体的なアプローチとして、以下の3つを意識してみよう。

  • 批判せずにオープンに話し合う:頭ごなしに否定せず、子供の意見を聞く。
  • 食をポジティブに捉える:カロリーや外見のためではなく、体をいたわり、楽しむものとして食を伝える。
  • 家庭で健康的なお手本を示す:これが何より強力な影響力を持つ。

一緒に料理をしたり、家族で食べるメニューを子供に選んでもらったりして、家庭で「食の喜び」を共有しよう。

もちろん、SNSへのアクセス制限だけで問題が完全に解決するわけではない。今後もネット上の情報に触れる機会はあるため、メディアリテラシーや批判的思考、科学的根拠に基づく情報へのアクセスを伝えることも同様に重要だ。

食への不安ではなく、好奇心と喜びを持って育った記憶こそが、大人になっても健やかな食習慣を支えてくれる。周囲の大人がサポートしながら、子供たちが食本来の楽しさを感じられる環境を整えていくことが大切だ。

※この記事はイギリス版ウィメンズヘルスの翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。

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