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なんとなく生きづらさを抱えていない? 「大人のADHD」を医師が解説

  • 2026.6.25

大人のADHD

働く女性が気になる症状や疾患について解説。今回は、自身も周りの人も、なんとなく生きづらさを感じているかもしれない「大人のADHD」をひもときます。

出典:シティリビングWeb

教えてくれたのは…松澤美愛先生

神谷町カリスメンタルクリニック院長。患者それぞれが必要とすることや地域性の違い、時代に伴うニーズの変化などを肌で感じながら臨床一筋に診療を行っている

Q.大人における発達障害とは?

「⼤⼈の発達障害」「大人のADHD」とは、発達障害の特性に気づかれないまま成長した大人が、毎日の生活やストレスの中で抑うつや不安など、さまざまな症状に悩まされて精神科を受診し、初めて診断を受ける場合を指します。発達障害は子どもの頃に診断がつくものと長く認識されてきましたが、子どもの頃は症状が比較的軽症だった、家族や教員など周囲に適切なサポートがあったなどさまざまな要因で診断がつかないまま、大人になって職場や家庭でのストレス負荷が増したとき、周囲のサポートがなくなったときなどに、漠然とした生きづらさとして現れることが多いと知られ始めています。

Q.ADHDに気づけるサインは?

自分で気づきやすいサインとしては、「自分は周囲の人たちとどこか違う」と感じるような違和感、毎日仕事を頑張っているのにうまくいかないと思っている場合などが挙げられます。また、周囲の人にそう感じた場合、症状と特性、その原因の理解を深めることが何よりも必要です。本人はその症状や特性により生きづらさを感じたり、うまくいかないことで自信を失ったりしている可能性があります。そんな状況を理解なしに注意したり怒ったりしても、改善しないばかりか余計な混乱につながり、さらに悪化する可能性があります。

Q.働く女性に特に多い特徴は?

忘れ物が多い、約束を忘れる「注意を維持することが苦手」、使ったものを元に戻せない「片付けや整理整頓が苦手」、締め切りギリギリにならないと動けない「時間の感覚をつかむのが苦手」などが挙げられます。全部当てはまる方もいれば、一部当てはまるかも…という方もいると思います。特性の現れ方や程度は人によってさまざま。うっかり屋さん、天然など性格的な特徴として捉えられることもあります。また、女性は社会的に「きちんとしていること」を求められやすく、人一倍の努力をして苦手なことを補おうとする傾向があります。その見えない努力の結果、慢性的な疲労感にさいなまれていることも多いです。

Q.受診の目安は?

周囲の協⼒も得て⾃分なりに⼯夫しているのに⽇々がつらい、どんなに頑張ってもうまくいかないと感じるならば、早めに専⾨家への相談を検討してみてください。大人の女性の場合、ADHDそのものではなく、そこから派生したうつ状態、うつ病、不安障害などの状態になって初めて受診をされ、その根本原因が実はADHDだったというケースが多いためです。症状を広げない・悪化させないためにも、早めの受診や相談をおすすめします。受診することで、自分ひとりでは気づけなかった視点やアドバイスをもらえたり、必要に応じて薬物療法や専門的なサポートを受けることができたりして、生活の質が大きく改善するケースも少なくありません。

Q.向き合うためにできることは

ADHDは、意志の弱さやだらしなさではなく、脳の特性に由来するものです。特性として受け入れ、できることから⼯夫を始めていく、という考え方を持つことが大切です。たとえば「不注意対策」として、頭で覚えようとせずにすべてをメモに残す、タスクを細分化する、相手の話を聞きながらメモを取る習慣をつけるなど。「時間管理対策」として、締め切りがあるものは本来の締め切りよりも前に締め切りを設定する、早めに取り掛かれるように工夫する、締め切りなど大きなことに捉われてほかの予定や時間を忘れがちな場合には、タイマーやアラーム機能を駆使するなどです。

発達障害の場合、主症状が完全に治ることは難しく、自分が過ごしやすい状況に整えていくこと、今抱えている問題の解決を目指すとともに、症状を“自分らしさ”として折り合いをつけていくことを目標とします。本人も周囲も、おのおのが症状と特性、その原因の理解を深めることが大切です。

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