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【神社での正しいマナー】ご祈禱で社殿に入ったら?|金王八幡宮宮司が解説

  • 2026.6.23
撮影=高嶋佳代

日本人の暮らしに欠かせない存在として受け継がれてきた和室。現代的なライフスタイルのなかで和室で過ごす機会は少なくなりつつありますが、和室で行われる作法には、相手を尊び、場に心地よい調和を生むための先人の知恵が息づいています。今回、茶道や礼法の専門家の監修のもと、嗜みとして知っておきたい基本のマナーを具体的にご紹介します。

今回は、神社でのマナーについて学びます。神社は静かに手を合わせ、日々の感謝を伝える場であるとともに折々の切実な思いを託す「ご祈禱」の場でもあります。その場に臨む際の心得を伺いました。

教えていただいたのは......

金王八幡宮宮司 比留間 靖さん

ひるまやすし◯大学卒業後、一般企業に勤めたのち、國學院大學に入学、2011年に卒業し、神職の資格を得る。2025年8月、豊栄稲荷神社の宮司に、同年11月、金王八幡宮の宮司に就任。比留間家は、明治期の神仏分離令より宮司を務め、当宮を護り続けている。

撮影=高嶋佳代

拝殿での適切な振る舞いとは?

撮影=高嶋佳代

「典儀」 という司会進行役がいることが一般的ですので、基本的には、進行役からの「ご低頭ください」「お直りください」という案内に従っていただければ特別問題はないと思います。作法としては二礼二拍手一礼がきちんとできていれば大丈夫です。

玉串拝礼の手順は?

手渡された玉串は、右手で根元の上を持ち、左手で中ほどを下から支える。 撮影=高嶋佳代
捧げ持った玉串を立て、左手を下げて右手に揃える。祈念し、右手で玉串の中央を下から支え、根元を時計回りに神前に向け、「案」の上にお供えする。このあと二礼二拍手一礼を行う。 撮影=高嶋佳代

神職から玉串を渡されると、その手の下側を持とうとされる方もいますが、上の部分を持っていただいて問題はありません。受け取りましたら、玉串をお供えする「案」という台の前まで進んでいただき、玉串を持ったまま軽く一礼(45度くらいが目安)してから、玉串の根元をご神前に向けてお供えします。そののちに二礼二拍手一礼の作法でお参りを行い、再び軽く一礼をしてから自座に戻ります。

神前の礼はこうします

最敬礼は前に90度、両手で膝を手で覆うくらいまで曲げるというのが目安になるが、無理に曲げる必要はなく深いお辞儀をすればよい。 撮影=高嶋佳代

ご祈禱の場では一連の流れのなかで何度か拝礼が必要になります。なかでも斎主一拝のときの一礼、玉串拝礼のときの二礼二拍手一礼は、最敬礼という最も深いお辞儀となります。

柏手の正しい打ち方はありますか

柏手を鳴らす際はそのまま自然に手を打てばよく、よい音を鳴らそうと勢いをつけたり、手をひねったりする必要はない。 撮影=高嶋佳代

両手を胸元で合わせ、右手を左手より少し引いて(指の第一関節くらいでよい)、胸の幅くらいに両手を開いて打っていただけば構いません。

礼と拍手を基本に願いを込めます

談=比留間 靖

神社は、もともと国家の安寧や五穀豊穣といった公の平和と繁栄を祈るための場所でしたが、平安時代中期に陰陽師などの活動をきっかけに個人祈願が始まり、長い歴史を経て、神職が個人の願いを直接神様に届ける「ご祈禱」のかたちが定着しました。

今日では、厄除、家内安全、商売繁盛、事業繁栄など、人生の節目や日々のさまざまな願い、切実な思いを託す、身近な儀礼の場となっています。

神社で正式参拝、ご祈禱をされる際には、一般的に玉串を捧げて神様に拝礼する作法を行います。手水を取ってから昇殿し、お祓いを受け、斎主一拝(斎主に合わせてご神前に一礼)してご祈禱が始まり、祝詞奏上ののち、祈願主(参列者の代表)により玉串を捧げてご拝礼いただきます。

私どもでは斎主と副斎主が役割分担して一連の流れを仕切ることが多いのですが、各社とも参拝者に無理のないよう神職が取り計らいますからご安心を。拝礼の仕方と玉串の扱い方がわかっていると、ご祈禱の時間を豊かに過ごせると思います。

撮影=高嶋佳代 編集・文=平田剛三(婦人画報編集部)

『婦人画報』2026年7月号より

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