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自分のせいなのに被害者顔!? 飼い主を振り回す猫の理不尽な可愛さを描く、猫コミックエッセイ【書評】

  • 2026.6.22

【漫画】本編を読む

たぶん猫に悪気はないはずだが、いつだって人間は彼らに振り回され続けている。猫と暮らしていると、猫の理不尽に巻き込まれる場面は少なくない。にごたろさんによるコミックエッセイ『拾い猫のモチャ』(にごたろ/KADOKAWA)は、白い体に個性的な模様をもつ三毛猫・モチャと、飼い主たちの何気ない日常を描いた作品。猫の自由気ままな行動と、それに翻弄される人間の姿が、あたたかくユーモラスに切り取られている。

たとえば、ある時、モチャは何か気配を感じたのか、「もぞぞぞぞっ」と機敏に動いて大騒ぎ。飼い主は「な、何かそこにいるの……?」とドキドキが止まらない。

またある時、ぼーっと寝っ転がっていたモチャに飼い主が「ごはんだよー起きて」と声をかければ、モチャは大きく伸びをする。だけれども、その伸びは飼い主の顔ぎりぎりまで伸ばす手足をダイナミックなもの。しかも、少し不満げな表情に見えるのはなぜだろうか。

さらに、飼い主が食事をしていれば、モチャはその姿をじっと見つめてくる。思わず飼い主がモチャのために、一口差し出せば、モチャは当たり前のようにそれをやんわり拒否する。

またある時は、飼い主が本を読んでいる上に飛び乗り、ズルッと滑って転んで、まるで自分が被害者であるかのような表情を浮かべる。

きっとモチャには悪気はない。気になるものには全力で反応し、起き上がるのが面倒な時は全身でそれを表現し、たとえ一度興味をもったものでも、興味を失えばすぐそっぽを向く。猫にとってのルールは、猫自身。だからこそ飼い主は困ってしまうことも少なくない。だが、その堂々とした身勝手さが、どうしようもなくかわいく思えてしまう。理不尽なのに憎めない。むしろ、振り回されることさえ楽しくなってしまう。この作品には、猫と暮らす人なら思わず頷きたくなる、そんな幸せな「困った」がたっぷり詰まっている。

文=アサトーミナミ

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