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重い障害のある赤ちゃんを出産するか、今の生活を続けるか。究極の選択はどちらを選んでも「後悔をゼロにはできない」【心理士インタビュー】

  • 2026.6.21

【漫画】本編を読む

「赤ちゃんに無事に生まれてきてほしい」親なら誰もが願う当たり前の幸せが、これほどまでに遠く苦しいものになるなんて。『わたしが選んだ死産の話』(桜木きぬ:著、医療法人財団順和会山王病院長 藤井知行:監修/KADOKAWA)は、著者である桜木きぬさんの死産の体験を克明に描いた実録コミックだ。

待望の第二子を授かった著者を待ち受けていたのは、おなかの赤ちゃんの染色体異常「18トリソミー」の宣告だった。18トリソミーの胎児は治療が困難な重い心疾患により、自然流産となることが多い。また、たとえ生まれても生後1週間以内に約60%が死亡し、生後1年まで生存する子どもは10%未満、とも言われている。赤ちゃんを無事に産みたい願いと、過酷な未来への不安。引き裂かれるような思いの中で、著者が選んだのは「死産」という決断だった。

本作に基づき、過酷な現実に直面した当事者の心情や周囲とのかかわりについて、臨床心理士・白目みさえさんに話を聞いた。

※本記事には流産・死産に関する内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

――重い障害のある赤ちゃんの出産を希望すれば今ある生活は崩れる、今ある生活を選ぶならおなかの赤ちゃんは諦めなければならない…このような究極の選択を前に、どちらを選んでも大きな苦悩はついてまわるのではないかと感じます。後悔を少しでもなくすために、できることを教えてください。

白目みさえさん(以下、白目):このような究極の選択の前では、どちらを選んでも苦悩は残ると思います。後悔をゼロにすることは、おそらくできません。

本来、後悔とは「別の選択肢を想像したときに生まれる感情」です。どんなに考え抜いた決断であっても、「もしあちらを選んでいたら」と思う瞬間はやってきます。それは、選択が誤りだったという証明ではありません。大きな決断であればあるほど、人は何度も振り返ってしまうものだからです。

だからこそ大切なのは、選ぶ前に考え抜くことだと思います。完璧な答えを出すためではなく、将来「本当に良かったのだろうか」と揺れたときに、「あのとき私はこれだけ考えた」と自分でブレーキをかけられるようにするためです。

選択のあとも、後悔の波は来ます。そのたびにもう一度、自分の決断をなぞり直す。その繰り返しが、後悔を少しずつ小さくしていくのだと思います。

取材・文=あまみん

白目みさえ(しろめ・みさえ)

臨床心理士、公認心理師、漫画家。精神科での臨床業務に従事しながら、自身の育児や仕事の体験を独自の視点で切り取った漫画を執筆。主な著書は『白目むきながら心理カウンセラーやってます』(竹書房)、『子育てしたら白目になりました』『放置子の面倒を見るのは誰ですか?』(KADOKAWA)など。

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