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タワマン40階・約9,400万円で手に入れた眺め…30代夫婦が夏になって初めて分かった“大誤算”【一級建築士は見た】

  • 2026.7.13
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「眺めと利便性に惹かれて、高層階を選んだんです。でも、夏になってみたら、上の階での暮らしが想像以上にこたえて。買い物に、子どもの送り迎えや外遊び。炎天下を出歩くだけでもつらいのに、そのうえ、外に出るたびにエレベーターで1階まで下りて、また上ってくる。重い荷物を抱えての行き来は、地味にこたえるんです」

そう話すのは、都内の大規模なタワーマンション(築6年・48階建て・40階・約73㎡)を約9,400万円で購入したAさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。眺めのよさは気に入っているものの、夏の上下移動の負担は、住んでみて初めて実感したといいます。

「『ちょっとそこまで』が、こんなに遠いとは思いませんでした」とAさんは振り返ります。

高層階は「1階に下りるだけ」でひと仕事

高層階の暮らしで、夏にこたえてくるのが、上下移動の負担です。

当たり前のようですが、高層階ほど、1階までの距離は長くなります。エレベーターを呼んで、待って、乗って、下りる。この一連の動きが、外に出るたびに必要になります。買い物や子どもの送り迎え、外遊び。その一回一回に、エレベーターの待ちと移動がついてきます。

とくに夏は、炎天下を出歩き、重い荷物を抱えて帰ってくる道のりがよけいにこたえるぶん、この上下移動の手間が、いっそう負担に感じられるのです。

エレベーターの「待ち時間」はなぜ生まれる

朝など、人の動きが集中する時間帯には、エレベーターの待ち時間が長くなることがあります。

エレベーターの台数には、じつは法律上の明確な基準がありません。一般には「50戸に1基ほど」が目安とされますが、敷地の限られた高層のタワーマンションでは、戸数のわりに台数が少なめになることもあります。

その場合、通勤や通学が重なる朝などは、なかなか乗れずに待つことが起こりやすくなります。Aさんのマンションでも、朝は満員で1〜2本見送ることがあるといいます。

一方で、低層・中層・高層で止まる階を分けて走らせたり、乗る前に行き先の階を登録したりする仕組みで、待ち時間を抑える工夫がされた物件もあります。

Aさん夫婦はどう対応したのか

上下移動の多さに悩んだAさん夫婦は、「エレベーターで下りる回数を減らす」ことを軸に工夫しました。

宅配は、在宅している時間帯に時間指定でまとめ、玄関で受け取るようにしました。不在にすると荷物は1階の宅配ボックスに入り、取りに下りる往復がひとつ増えてしまうからです。

買い物は、ネットスーパーやまとめ買いを活用して、運ぶ回数そのものを少なく。外出の用事は一度でまとめて済ませ、ゴミ出しも外出のついでに。エレベーターが混みやすい朝の時間は避け、少し早めに動くように。

「全部がなくなるわけではありませんが、下りる回数を減らすだけで、夏の負担がずいぶん軽くなりました」とAさんは振り返ります。

高層階を選ぶときは「上下移動」も考えて

高層階からの眺めや開放感は、タワーマンションならではの魅力です。一方で、その高さは、地上との行き来に時間と手間がかかることでもあります。検討する際は、眺めや利便性だけでなく、夏場も含めた上下移動の負担も考えておくと安心です。とくに以下の点を意識してみてください。

・総戸数に対して、エレベーターの台数が足りているか(目安は50戸に1基、現地で待ち時間も確認)
・低層・高層でエレベーターを分けるなど、混雑をやわらげる仕組みがあるか
・各階にゴミを出せる場所があるか(ない場合、ゴミ出しが上下移動の負担になる)
・不在時の荷物が入れられる宅配ボックスは、取りに行きやすい場所にあるか

大切なのは、「眺めがいい」ということは「1階が遠い」ということでもあると知っておくこと。そのうえで、台数や混雑対策、宅配の仕組みまで見ておけば、高層階の夏は、ぐっと暮らしやすくなります。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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