1. トップ
  2. エピソード
  3. 祖母の命日。「ない!ない!封筒がない」と読経中にお布施を用意する義母→封筒を見つけた義母の信じられない行動にドン引き

祖母の命日。「ない!ない!封筒がない」と読経中にお布施を用意する義母→封筒を見つけた義母の信じられない行動にドン引き

  • 2026.6.21

誕生日が命日と重なる毎年の法要

結婚していた頃、義実家は味噌汁が冷めない距離にあった。

困ったのは、私の誕生日が夫の祖母の命日と同じ日だったことだ。

毎年その日になると義実家にお坊さんが訪れ、仏壇の前で読経が営まれる。

産後で家にいた私は、断る理由も見つからず毎年顔を出していた。仏間の隅に正座して、自分の誕生日が線香の匂いの中に沈んでいくのを、半分あきらめた気持ちで眺めていた。

「今年もよろしくお願いしますね」

義母はお坊さんに頭を下げ、私にも座布団を勧める。そこまでは、いつも通り穏やかな朝だった。問題は、読経が始まってから起きた。

読経の最中に始まった家探し

お経が朗々と響き始めて数分。

仏壇の前に座っていた義母が、急にそわそわと落ち着きをなくした。やがて小声で、けれど仏間に丸聞こえの声でつぶやいた。

「ない!ない!封筒がない」

お布施の用意をすっかり忘れていたのだ。義母はそのまま立ち上がり、読経の真っ最中だというのに、家中の引き出しをガサガサと開け閉めし始めた。

台所の戸棚、リビングの収納、廊下の棚。バタンバタンという音が、お経にかぶさって仏間に響く。

私は正座したまま、どこへ目をやればいいのか分からなかった。お坊さんの背中だけが、何事もないようにまっすぐ伸びている。

読経が終わりかけた頃、義母はようやく封筒に筆ペンで何かを書き終えた。

そして信じられない行動に出た。読経中のお坊さんの真横からぐっと腕を最大限に伸ばし、仏壇の前にお布施をそっと置いたのだ。

お坊さんの肩越しに白い封筒だけがにゅっと差し出される光景に、私は息を止めた。

お茶出しでも繰り返された言い訳

読経が終わり、お坊さんにお茶を出す段になっても、義母の調子は変わらなかった。

「お布施の用意もしてなくてすいません」

語尾を間延びさせ、ヘラヘラと笑いながら頭を下げる。お坊さんは穏やかに「いえいえ」と応じてくれたが、私のほうが顔から火が出そうだった。

隣の嫁として座っているだけで、自分まで一緒に頭を下げたい気持ちになる。

こういう出来事は、その日だけのことではなかった。義実家にいる限り、似たようなネタは数えきれないほどあった。

誕生日のたびに線香の匂いと家探しの音を思い出す日々が、何年も続いた。今はもうあの家を離れている。離婚してよかった、と心から思える出来事のひとつだ。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる