1. トップ
  2. エピソード
  3. 叔母「子供はまだ作らないの?」親戚の前でデリカシーない発言。だが、従姉の一言で表情が固まった

叔母「子供はまだ作らないの?」親戚の前でデリカシーない発言。だが、従姉の一言で表情が固まった

  • 2026.6.21

親戚の集まりで

年に一度、親戚が二十人ほど集まる食事会があった。

久しぶりの再会で、座敷はにぎやかな声に包まれていた。

私が席に着いて間もなく、向かいの叔母が身を乗り出してきた。

「子供はまだ作らないの?」

箸が止まった。結婚して数年、いつも同じ質問を投げてくる人だ。私は曖昧に笑って受け流そうとした。

「そのうち、ですかね」

「そのうちって、もう若くないんだから。早くしないと手遅れになるわよ」

声が大きいので、近くの親戚たちもちらちらとこちらを見る。

私は顔がこわばるのを感じながら、ただ苦笑いを浮かべることしかできなかった。

繰り返される質問

場が和んでも、叔母の追及はやまなかった。料理が運ばれるたび、思い出したように同じ話を蒸し返してくる。

「孫の顔、おばあちゃんも待ってるんじゃないの?」

「ご近所の○○さんとこは、もう二人目だってよ」

そのたびに、私は黙ってお茶を口に運んだ。

否定すれば角が立つし、肯定もできない。

逃げ場のない問いに、ただ笑顔の仮面が薄くなっていくのを感じていた。

夫婦のことは、私たちなりに考えていた。

それを大勢の前で説明する義務があるとは思えない。

けれど年上の親戚に言い返す勇気もなく、私はただ黙るしかなかった。

叔母は私の困った顔に気づく様子もなく、さらに声を張った。

「予定がないなら、ないって正直に言いなさいよ。みんな気になってるんだから」

みんな、という言葉に、座敷の空気がわずかに重くなった。

それでも私には、その場を変える言葉が見つからなかった。

従姉の一言

その時、隣に座っていた従姉が、静かに箸を置いた。

「叔母さん、今は多様性の時代だよ。子供のいない人生を選ぶ人だって、たくさんいるんだから」

穏やかだが、はっきりとした声だった。叔母の表情が、すっと止まった。

「いや、私は別に、ただ心配して…」

言葉を濁す叔母に、従姉は真顔のまま、もう一歩踏み込んだ。

「デリケートな質問を人前で繰り返すの、本人をすごく傷つけるんだよ」

一瞬で、座敷が静まり返った。にぎやかだった親戚たちも口をつぐみ、視線が叔母に集まる。叔母は顔を赤らめ、言いかけた弁解を飲み込んだ。

「…そう、ね。悪気はなかったのよ」

小さくそう漏らすと、叔母はばつが悪そうにうつむき、それきり黙り込んでしまった。離れた席の伯母が、そっと頷いているのが見えた。

「ありがとう」

私が小声で伝えると、従姉は軽く肩をすくめて笑った。それ以降、叔母が子供の話を口にすることは一度もなかった。帰り際、私と目が合うと、叔母はそそくさと視線を逸らした。胸につかえていたものが、ようやく下りた気がした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる