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「静かにしろよ!」差出人のないチラシがポストに→管理会社が入れた覚えなしと言った瞬間に凍りついた

  • 2026.6.20

上の階の音に耐えかねて

夫と二人で住む賃貸の上階から、毎晩のように音が降ってきた。大音量の音楽、テレビの低い響き、深夜まで続くドスドスという足音。

ベランダに流れてくるタバコの臭いまで加わって、私はとうとう管理会社に電話を入れた。

「上の方の生活音と、たばこの件でご相談したくて」

「承知しました。注意のチラシを各戸へ入れさせていただきますね」

「助かります。夜中の音で、ここ数週間ろくに眠れていなくて」

数日後、ポストに管理会社名の入った注意文書が届いていた。

効果はすぐに出た。夜の音楽はぴたりとやみ、深夜の足音も気にならなくなった。

「やっと静かになったね」

「ほんと、言ってよかった」

ようやくまともに眠れる、と夫と胸をなでおろした。波風を立てたくはなかったけれど、勇気を出して相談した甲斐があった。そう思っていた。

差出人のない一枚

ところが数日後、また一枚の紙がポストに入っていた。手に取った瞬間、指先が冷たくなった。

「静かにしろよ!」

前回と違って、管理会社のロゴも、社名も、連絡先もない。手書きに近い、ぶっきらぼうな一行だけ。

「これ、管理会社のじゃないよね」

「誰が…」

嫌な予感がして、私はその場で管理会社に電話をかけた。

「二枚目のチラシ、ありがとうございます。あれもそちらで入れてくださったんですよね」

受話器の向こうで、担当者がきっぱりと言った。

「いえ、二枚目はお出ししていません。当社はあの一枚きりです」

その瞬間、背筋がすっと冷たくなった。

誰が、何のために

「じゃあ、これは誰が……」

「差出人がないとなると、当社からは何とも」

電話を切ってから、夫と二人でその紙を何度も見つめた。誰が入れたのか。何のために。考えられるのは一つだけだった。

「俺らが管理会社に言ったの、上の人にバレてんのかもな」

「でも、どこの部屋から相談があったかなんて、普通は分からないよね」

それでも、わざわざ社名のない紙でこちらに「静かにしろよ」と書いてくる人間が、上以外にいるとは思えなかった。

注意された側が、注意した側を探り当てて、こうして紙を投げ込んでいるのかもしれない。そう考えると、あの一行は騒音への文句ではなく、こちらへの警告に思えてきた。

「次に来たら、写真撮って管理会社に渡そう」

夫はそう言ったけれど、その「次」を想像するだけで気が滅入った。

それ以来、ポストを開ける手が止まるようになった。郵便受けの蓋に指をかけるたび、また同じ紙が入っているのではないかと身構える。差出人のいない一行が、今も頭の奥に貼りついて剥がれない。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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