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歯磨き中に“奥歯に激しい痛み”→『ただの虫歯』市販薬を飲んで放置するが…数ヶ月後、医師に指摘された“思わぬ原因”にゾッ

  • 2026.7.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。歯科医師の鷹巣多紀です。

歯に強い痛みが走ると、まず虫歯を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、どのような刺激で痛み、何秒続くかによっては、歯以外の原因も確認する必要があります。

Aさんに起きたこと

Aさんは50代の女性。数ヶ月ほど前から、歯磨きの最中に右下の奥歯へ電気が走るような痛みを感じていたと言います。

痛みは激しいものの、数秒でスッと消えてしまうのが特徴です。何もしていないときは痛まないため、「虫歯が深くなったのだろう」と考え、市販の痛み止めを飲んで様子を見ていました。

やがて、冷たい水を口に含んだときにも同様の痛みが生じるようになります。さらには、洗顔で右の頬に触れたとき、食事や会話の最中などにも、一瞬の痛みが走るようになりました。

Aさんは問診票に「右下の奥歯が痛い」とだけ記入し、歯科を受診。診察室で歯科医師から「何秒続きますか?」「右側だけですか?」「歯磨き以外でも出ますか?」と尋ねられ、そこで初めて痛みの出方を順序立てて伝えました。

「洗顔でも出ます。食事や会話のときも痛みますが、数秒で消えますし、左側には出ません。」

ところが、お口の中や画像を確認しても、その激しい痛みの原因となる虫歯や歯周病、歯のひびなどは見つかりません。歯科の領域だけでは説明がつかない痛みとして、Aさんは脳神経内科で詳しい診察を受けることになりました。

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

診断は「三叉神経痛」 虫歯や他の病気との見分け方

紹介された脳神経内科では、痛む場所や痛みの持続時間、どんな動作で痛むのかなどを詳しく調べ、MRI検査も行いました。その結果、Aさんに下された病名は「三叉神経痛(さんさしんけいつう)」でした。

幸いにも、MRIの画像から脳の腫瘍といった「痛みの原因となる他の大きな病気」は見つかりませんでした。Aさんが悩まされていた奥歯の激痛は、虫歯の悪化ではなく、顔の感覚を伝える神経そのものから生じていたのです。

三叉神経は、顔の感覚を脳へと届ける神経です。この神経が何らかの拍子で刺激を受けると、顔の片側にまるで電気ショックのような、一瞬の激しい痛みが走ることがあります。

日常の何気ない動作が痛みのきっかけになるため、痛む場所によっては「虫歯が悪化したのでは」と勘違いされやすいのが特徴です。

ただ、電気のような痛みがあるからといって、すぐに三叉神経痛と判断できるわけではありません。まずは虫歯や歯周病、知覚過敏など、お口の中に問題がある「歯の痛み」ではないかをしっかり見極めることが大切です。

その上で、他に隠れた病気がないかも慎重に調べます。痛み方だけでは原因を特定しにくいため、医師による診察や画像検査などを組み合わせて、本当の理由を探っていくのです。

痛みの場所・時間・引き金を伝える

もしも歯が痛むときは、歯科医師に「どの歯が痛いか」だけでなく、「左右どちら側か」「1回の痛みが何秒続くか」「どのような動作で痛むか」「痛くない時間があるか」といった詳細も伝えてみてください。歯磨きや洗顔、食事、会話など、直接歯に触れていない場面での痛みの変化も非常に重要な情報となります。

ちなみにAさんは、脳神経内科を受診するまでの間、痛みが出た時刻やその直前にしていたこと、痛みが続いた秒数などをスマートフォンにメモしていました。この記録が診断の大きな手がかりとなり、不要な治療で歯を削ってしまう前に、本当の原因へたどり着くことができたのです。

一瞬の歯痛は、痛み方まで伝える

「歯が痛い」と感じても、その原因が必ずしも歯や歯茎にあるとは限りません。

もしも顔の片側に一瞬の走るような激痛があり、それが歯磨きや洗顔、食事といった日常の動作で引き起こされるなら、ぜひその特徴を歯科医師へ詳しく伝えてください。

Aさんのように、お口の中に虫歯などの問題がないことを確認した上で、必要に応じて専門の医療機関で脳の病気などが隠れていないかを調べることで、痛みの本当の理由が明らかになります。的確な情報を共有することが、正しい治療への第一歩となるのです。


執筆・監修:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
歯科医師ママkiki|note: https://share.google/uUYsDiSMnkNKZCrOw X: https://x.com/kikimama0405 

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