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ピット姓を捨てる子供たち。「世界一幸せな家族」の崩壊までの愛憎タイムライン

  • 2026.6.12
Kevin Winter / Getty Images

ハリウッドのパワーカップル“ブランジェリーナ”の崩壊から10年。2026年6月、長女ザハラが「ピット」姓を法的に削除するなど、最愛の子供たちが今も父の名を捨てる選択が表面化しています。2016年のプライベートジェット乱行事件をきっかけに、その後のブラッドが放った支配的な言動、そして自身のブランドへの執着から深まった確執。子供たちが自身の人生から父を排除し、自立の道を選ぶまでのタイムラインを追跡します。

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誰もが憧れる幸せパワーカップルの間に何が起こった?

ブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリーという世界中から羨望を集めた大スター同士のカップルでしたが、実は2016年の離婚申請より遥か前から、家庭内は冷戦状態にあったようです。

対立の根底にあったのは、真逆すぎる人生観と子育て論でした。子供たちを学校へ通わせず、世界中を旅させたい自由放任主義のアンジェリーナ。対して、「規律とルール」を守る教育を受けさせたいブラッド。さらに、人道支援や政治へ傾倒し、子供を連れてイギリスへ移住したいと願う妻と、ハリウッドを拠点にしたい夫。この根本的な価値観のズレが、泥沼離婚劇へのカウントダウンでした。

Jean Catuffe / Getty Images

父の威厳はゼロ。孤立、苛立つブラッド

価値観が完全にすれ違う中、家庭内におけるブラッドの父としての立場は失われていきます。彼が子どもたちを厳しく叱ったり、ルールを守らせようとしても、アンジェリーナが子どもの目の前でその指示を全否定し、ブラッドは「悪者」になっていきました。夫や父親としての主導権を握れないまま、家の中で一人ストレスを溜め込んでいくという、歪んだ構図が何年も続いていたのだそう。

Jun Sato / Getty Images

離婚の決定打となった「プライベートジェット事件」

そんな長年の冷戦が最悪の形で暴発したのが、2016年9月のプライベートジェット機内での出来事でした。

フランスからロサンゼルスへ向かう機内で、泥酔したブラッドがアンジェリーナと激しい口論になり、彼女を壁に押し付けるなど乱暴に及びます。後に開示されたFBIの捜査報告書には、止めに入った子供の首を絞め、顔を叩いたという生々しい状況まで記録されていました。

この悲惨な11時間を体験したアンジェリーナは、ロサンゼルスに到着した数日後に電撃離婚を申請。子供全員を連れて家を出ました。

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長男マドックスの決別と次男パックスの「父の日」告発

プライベートジェット事件後、真っ先に意思表示をしたのが、機内で母親を庇ってブラッドと衝突した長男マドックス。成人するとすぐに裁判で父親に不利な証言を行い、仕事ではピット姓を外した名で活動、後に法的にもその名を排除しました。

さらに次男パックスも、2020年の「父の日」に、自身のプライベートなインスタグラムで衝撃の告発。ブラッドの写真とともに「この世界最高級の最低野郎。お前のせいで子供たちは恐怖に震えていた」という憎悪に満ちた本音を暴露し、父親への冷めきった胸の内を晒しました。

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実の娘たちの選択も「血脈を切る」決断

この騒動の闇深さを物語ったのは、血のつながった娘たちすらも父を拒絶したことでした。

次女のシャイロは、2024年5月27日に18歳の成人の誕生日を迎えるやいなや、ロサンゼルスの高等裁判所へピット姓の削除を申し立てました。その意思は三女ヴィヴィアンにも連鎖し、彼女は15歳で、スタッフとして参加したブロードウェイ舞台の公式パンフレットのクレジットからピットの名を消し去り、「ヴィヴィアン・ジョリー」と名乗りました。

両親の裁判を間近で見てきた実の娘たちにとっても、父親の姓を背負うことはすでに受け入れがたい選択となってしまったようです。

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満を持して?2026年6月、長女ザハラも正式な法的削除

長女のザハラは、自らの意思を段階的に公にしていきました。2023年秋には、大学の伝統的なセレモニーの壇上で、大勢のカメラを前に「私の名前は、ザハラ・マーリー・ジョリー!」と大声で名乗り、父親の姓を意図的に排除したことで大きな話題を呼びます。

そして2026年6月、彼女はついに裁判所へと公式な手続きを行い、法的にもピットの姓を完全に削除しました。姉妹たちの動きに続くように下されたこの決断。子供たちの人生から次々と父親の存在が消し去られていきます。

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8年に及ぶ裁判で、ブラッドが与えた恐怖

離婚申請からの8年間、法廷で繰り広げられた泥沼の親権争いは、子供たちに深い恐怖と不信感を植え付けました。

何よりショックを受けたのは、プライベートジェットでの暴力事件に対し、ブラッドが事実を全面否認し、秘密保持契約(NDA)を使って事件を隠蔽しようと動いたこと。さらに、子供たちの“会いたくない”という自発的な意思を、母親による洗脳と決めつけ、精神鑑定の結果など、当時未成年だった彼らのプライバシーを法廷で晒してまで、自らの権利を主張し続けたことでした。

常に「心理専門家の監視役が同席する」という異様な環境での面会も強要され、多感な子どもたちにとって、見ず知らずの大人が立ち会う中での面会時間は苦痛でしかなかったことが容易に想像できます。

それだけでなく、親権争いの裏で、母のアンジェリーナを経済的・法的に執拗に追い詰め、苦しめ続ける父親の攻撃性も、強烈な恐怖心を抱く要因となりました。

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守りたかったのはトップスターというブランド?

最愛の子供たちからこれほど拒絶されてもなお、裁判に固執したブラッドですが、そこには、ハリウッドスター「ブラッド・ピット」の巨大なブランドイメージを守りたいという保身が見え隠れしていました。

FBIの捜査が入るほどのスキャンダルは、彼のキャリアを根底から揺るがす致命傷となります。暴行の事実を一貫して否認し続け、厳格な秘密保持契約へのサインを執拗に求めていたのも、すべてはスターとしての社会的抹殺を免れるための防衛策のように映りました。

メディアの前では“良き父親”を演じながら、裏では力で事実を伏せようとする父親の姿。子供たちにとって彼の言動がどれほど情けなく、信頼関係を失わせたことか、想像に難くありません。

Marc Piasecki / Getty Images

子供たちにとって「ピット」とは?

2024年末に離婚裁判は正式に和解を迎え、子どもたちは「ブラッド・ピットの子」というステータスや、彼が持つ特権に頼ることなく生きる道を選びました。

彼らにとって「ピット」という姓は、誇るべきものではなく、母親を傷つけ、自分たちを恐怖とイメージで支配しようとしたトラウマと足枷でしかなかったのかもしれません。ブラッドは、最愛の子供たちから法的・永久にその姓を拒絶されるという、人生最大の敗北を喫しました。

偉大な姓を捨て、母親のルーツであるジョリーの絆を選んだ子供たちの選択には、10年の泥沼劇がもたらした深い心の傷が隠されています。

※この記事は2026年6月12日時点のものです。

Axelle/Bauer-Griffin

アンジェリーナ・ジョリーの養女、ザハラ・マーレー・ジョリー・ピットを追跡

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