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テータム・オニールの現在|最年少オスカー女優が毒親、薬物依存、昏睡状態から奇跡の生還を果たすまで

  • 2026.6.12
Getty Images

1973年、映画『ペーパー・ムーン』で世界中を魅了し、翌年、わずか10歳でアカデミー賞の頂点に立った天才子役テータム・オニール。まばゆいスポットライトの裏側で彼女を待ち受けていたのは、実の父親による激しい嫉妬とDV、そしてあまりにも凄惨な精神的支配でした。

自身も重度の薬物依存、そして泥沼の離婚劇や命の危機を経験したテータム。そんな中、最近になりようやく“自分の人生”を歩み始めた彼女の、波乱に満ちたサバイバルストーリーと奇跡の再生を遂げた現在の姿に迫ります。

Ron Galella / Getty Images

【THEN】“史上最年少”10歳で世界の頂点へ! 映画『ペーパー・ムーン』での演技が伝説に

1973年、映画『ペーパー・ムーン』で父ライアン・オニールと共演し、大人顔負けのタバコを吹かす生意気で愛らしい少女アディを演じて世界中を虜にしたテータム・オニール。1974年4月、タキシードを着こなして授賞式に出席した彼女は、史上最年少の10歳でアカデミー賞助演女優賞を受賞し、この記録は今も破られていません。しかし、両親は多忙などを理由に授賞式を欠席。母ジョアンナ・ムーアからは祝福の言葉すらありませんでした。彼女は「大切な人たちからの祝福がなく、達成感はほとんどなかった」と当時の孤独な心境を明かしています。その後も当時として最高額のギャラを誇る天才トップ子役として数々のヒット作に出演。名作『バッド・ニュース・ベアーズ』や『リトル・ダーリンズ』などの良作を連発し富と名声を手にしますが、その栄光の裏には家族の歪んだ影が忍び寄っていました。

Jesse Grant / Getty Images

【NOW】薬物過剰摂取で脳卒中に。6週間の昏睡状態を経て…再び表舞台へ

2020年5月のコロナ禍によるロックダウン中、関節リウマチの慢性的な痛みに苦しんでいたテータムは、孤立の中で医師からモルヒネを処方されていました。当時は「子どもたちは大好きだけど、もう生きていたくない」と絶望を抱えており、薬物の過剰摂取により重度の脳卒中を起こして6週間もの昏睡状態に陥ります。目覚めたときの予後は絶望的で、脳卒中の影響により話すことも歩くことも見ることもできませんでした。しかし長い道のりを経て懸命にリハビリを続け、2021年には映画『Not to Forget』で女優復帰を果たします。2023年末に他界した父ライアンをはじめ両親とはさまざまな禍根があり、遺言から除外されていた事実も明かされました。しかし現在の彼女は呪縛から解放されたと前を向いています。2025年2月にはバラエティ誌のカバーを飾り、「最高の年はこれから」と語るなど力強いカムバックを果たしています。

Bettmann / Getty Images

薬物依存の両親による虐待とネグレクト、性的搾取に支配された凄惨な少女時代

テータムの両親はともに俳優でしたが、重度の薬物中毒者でもありました。1967年の離婚後、母ジョアンナの依存症が悪化。当時6歳のテータムと弟はガレージに閉じ込められ、飢えをしのぐためドッグフードを食べさせられるほどの凄惨なネグレクトを受けており、1970年に母は親権を失いました。その後、親権を握った父ライアンとの生活も虐待に満ちていました。父は彼女の前で堂々とコカインなどの薬物を使用し、多くの女性を自宅に出入りさせました。映画の共演時には、テータムだけがオスカーにノミネートされ自身が落選したと知ると、嫉妬から彼女を殴打。父の側近から性的虐待を何度も受け、演技面でも「お前はダメだ」と精神的に支配され続けました。

大人の悪意に晒された彼女の幼少期は、常に深い不安と恐怖に支配されていたのです。

Ron Galella / Getty Images

悲劇は連鎖? 傷だらけの結婚生活と薬物依存の果てに失った親権

成人したテータムは、精神を病んだ母の莫大な病院代を自ら払い続け、看病も相まって映画業界の第一線から姿を消していきます。10代の頃から薬物と無縁ではなかった彼女は、1986年にテニス界のスター、ジョン・マッケンローと結婚。互いに強烈な毒親の元で育った者同士として深く惹かれ合い、ケビン、ショーン、エミリーという3人の子どもをもうけます。しかし夫の激しい気性や彼女自身の依存症により衝突が絶えず、子どもたちもその夫婦喧嘩の影響を大きく受けるなか、1994年に離婚。離婚後、彼女は俳優復帰を目指すものの思うようにいかず、薬物乱用はヘロインへと悪化し制御不能な状態に陥ります。1998年に当時7歳だった娘がアパートでヘロインの使用器具を見つけたことで子どもたちの親権を失いました。しかし、悲劇はそれだけに留まりません。後に成長した長男ケビンも同じく薬物依存の苦しみに直面することとなりました。

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薬物からの更生と過酷なリハビリ、それを支えた子どもたちと取り戻した家族の絆

親権を失ったテータムですが、更生プログラムへの参加を重ね、薬物依存からの脱却を試みます。2008年にコカイン購入容疑で逮捕されたことがありましたが、それ以降薬物を断ったクリーンな生活を維持。2004年の自伝『A Paper Life』に続き、2011年には続編『Found: A Daughter's Journey Home』を出版し過去を赤裸々に告白しました。同年のリアリティ番組で父との和解を試みるも不発に終わりましたが、彼女の必死の歩みは子どもたちの心を動かします。傷つきながらも立ち直り、2020年の脳卒中の危機も3人の子どもたちの献身的なリハビリの支えで乗り越えた彼女。現在は高額な医療費がのしかかる現実に直面しつつも、温かい子どもたちの愛に囲まれ、俳優としての再起を図りながら前を向いています。

写真は、3人の子どもたち&父ライアンと。

※この記事は2026年6月12日時点のものです。

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