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シンプルなスタイルに飽きた人は必見!より洗練されたマキシマリズムの新潮流

  • 2026.6.12
Miguel Flores-Vianna

2020年当時、私たちは飾り気のない真っ白なキッチンや、ベージュの家具、モノトーンの壁紙、そしてこの上なく真っ白なリネンに囲まれた寝室で当然のように暮らしていた。モノが溢れた棚などはもってのほか。置き場所の定まらないインテリア小物や、モノを隠しきれない収納、そして生活感を感じさせるあらゆる兆候も同様に敬遠されていた。

Pinterestの今年のトレンド予測レポートによると、要素を重ねていく「モア・イズ・モア(more is more)」の美学が、最大のトレンドの一つになるとみられている。ピンタレスト内での検索数は、前年比で「折衷的マキシマリズム」が215%増加し、「ヴィンテージ・マキシマリズム」にいたっては同期間で260%も急上昇した。マキシマリズムを取り入れるアプローチは人それぞれだ。センス良く配置されたオブジェをいくつか買い足すという人もいれば、部屋全体を大胆な色で埋め尽くすという人もいる。しかし、ほぼすべての人に共通しているのは、ストイックな空気感よりも生活感が漂う居心地の良いスタイルをより全面的に受け入れ始めているという点だ。その勢いは確実に加速し、独自のハッシュタグまで生まれている。

ことの始まりは、TikTokで巻き起こった「クラスタリング(お気に入りの小物を一箇所に集めて飾る手法)」の大流行だった。その後、今度はあえて部屋をモノで満たす「リクラッター(再雑多化)」のムーブメントが到来し、すっきりとした美収納を提唱する「ザ・ホーム・エディット」のカリスマたちを驚愕させるほどの勢いを見せた。しかし、TikTokで本当の意味で爆発的な火がつき、今や一大トレンドとして定着したのが、「インテンショナル・クラッター(意図された雑多さ)」であり、これこそ私たちが大いに共感し、取り入れたいスタイルなのだ。

最初に断っておくが、このトレンドは、パートナーが床に汚れた靴下を脱ぎっぱなしにしていいという免罪符にはならない。1日の終わりに直面する、夕食を作った後の片付いていない台所や、取り込んだままの洗濯物、届いたばかりで開けていない段ボール箱のような、いわゆる「生活の乱れ」とは根本的に異なる。そうではなく、自分が愛する大切なモノを厳選して配置し、自分らしさを表現した「生活感のある美しい佇まい」を作り出すことなのだ。それには、確かな審美眼と研ぎ澄まされたデザインセンスが求められる。ここからは、このスタイルを上手に形にするためのポイントを紐解いてみよう。US版「エル・デコ」より。

Simon Upton

自分らしさをモノで表現する

これこそが、まさに「インテンショナル・クラッター(意図された雑多さ)」というトレンドの本質。厳選されたモノの数々は、個人の人柄や興味、そして大切な記憶を映し出す鏡となる。旅先で見つけた土産品や、蚤の市で手に入れた一点もの、あるいは趣味を物語るアイテムなどを積極的に取り入れるといい。こうした愛着のある品々を、インテリア小物や本、アート作品などと重ね合わせることで、持ち主の気配が漂う、自分だけの特別な空間が完成する。とはいえ、並べるものすべてに思い出が詰まっている必要はない。お気に入りの香水のボトルやジュエリー、ボディローションなどをトレイにまとめるだけでも、日々の暮らしの営みを機能的かつシックに表現できる。たとえそこにあるアイテムが、すべてAmazonで購入したものであったとしても、何ら問題はないのだ。

Miguel Flores-Vianna

大切なコレクションを主役にする

すでに何かしらのコレクションを持っているなら、このトレンドこそ、それを堂々と披露する絶好のチャンス。ヴィンテージの皿のコレクションを壁に飾ったり、お気に入りの大型本にふさわしい晴れ舞台を用意したり、集めずにはいられないマッチ箱のために小さなボウルを置いてみるのもいい。ただ雑然と置くのではなく、自分らしさを感じさせる「小さな見せ場」を設けることで、それらのアイテムは一気に、意図されたディスプレイへと昇華する。

Noe Dewitt

視覚的な高低差と奥行きを意識する

さまざまなアイテムを組み合わせる際、視覚的な楽しさを生み出しつつ、「目障りな散らかり」に見せないためには、モノ同士の重ね方が極めて重要になる。これを実現するには、まず飾るアイテムの高さと奥行きに変化をつけることから始めるといい。花瓶や植物といった背の高いアイテムは後ろに、背の低い本やトレイを手前に配置し、小物は本やトレイの上に重ねて置くことで、空間的な重なりを感じさせる効果が生まれる。また、木、金属、ガラスといった異なる素材をミックスするのも、空間に立体的な表情を加えるコツだ。さらに、アート作品のフレーム同士を揃えたり、壁に立て掛ければ簡単に奥行きが生まれ、計算され尽くしているのに、どこか軽やかで動きのあるディスプレイが仕上がる。

Dan Forer / Getty Images

あえて分かりやすく「余白」を残す

モノを置かないエリアをあえて残すことで、視覚的な安らぎ(視線の逃げ場)が生まれ、モノが密集してレイヤードされたエリアとの間に美しいコントラストが生まれる。この効果により、空間全体に「意図して作り込まれたデザインである」という説得力を持たせることができるのだ。バランスを保つ上で、この余白は絶対に欠かせない。上手に行うコツは、家具の表面を隅々までモノで埋め尽くすのではなく、厳選した小さいグループを作ることに集中することだ。モノ同士をいくつかの集まりとしてまとめ、その間に適度な隙間を作ることで、それぞれのグループに「息をつく空間」が生まれる。テーブルや棚といった広めのスペースは、いくつかの主役級のアイテムを際立たせるためのベースとして空間を整え、それ以外のエリアはオープン(余白)にしておく。この絶妙なバランスこそが、選び抜いた大切なモノたちを主役として引き立て、同時に空間がモノで溢れかえっているような圧迫感を与えるのを防いでくれるのだ。

original text: Rachel Silva

>>US版『ELLE DECOR』のオリジナル記事はこちら

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